人間滅亡の唄 (P+D BOOKS)
人間滅亡の唄 (P+D BOOKS) / 感想・レビュー
ちょんす
深沢七郎は猫みたいな人だと思った。「自分の嫌いなことをするのは悪いことなのである。」そんな勝手な信条で生きていけるのは、「人間なんて、どうせ、虫みたいなものだもの」という深い諦観があるからだろう。そんな深沢を慕って、当時の都会の若者たちが、深沢のもとに集まって来たというのが、逆説的で面白いことだと思う。
2024/10/27
ライム
著者の半生、知ると驚く話の数々。多方面への自由気ままな活動と豊富なエネルギ―に感嘆。中学からタバコプカプカ、ギター習って嫌な事はしない主義で通し、遊び飽きた頃に小説書いてベストセラー。そこまでは良いが、その後書いた問題作で忌わしい殺人事件が起こり、多数の脅迫状も。世間から隠れて各地を転々と旅する日々が悲壮感の色濃く語られる。でもきっと懲りてないな、「小説は好きだから書いちゃいけないと言われても書くけどね」。後年の田舎に移住しての農業生活、変わり身が見事。
2023/09/23
祐徳太子
『生きているのはひまつぶし』が良くなかったから期待してなかったが、深沢の思想に面白みを感じないだけで、「流浪の手記」や久喜での日々の記録などが主な本書は存外良かった。
2022/04/06
眼鏡堂書店
根無し草気取りであっちへふらふらこっちへふらふら。 何をするにもまずは言い訳から。『楢山節考』や正宗白鳥との交流は興味深く読めたが、それ以外は全く共感できず、ただただ無責任な年寄りのたわごとが敷き詰められているという印象。多分、二度は読まないだろう。
2021/09/20
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