生々流転 (P+D BOOKS)
生々流転 (P+D BOOKS) / 感想・レビュー
conyTM3
岡本太郎の母、かの子による小説。 お蝶、母、父の本妻、この女三人の微妙な距離感と情緒豊かな表現に最初は興味を惹かれました。 こんなこと言うのは時代錯誤かも知れませんが、女性ならではの感覚、おんなごころ、女の性(さが)が強調されていて、冷めているようで感傷的な蝶子は悲劇のヒロインであり、力強く生きるそのギャップが面白かったのですが、乞食になってからは自分のことより他人の観察が多くてつまらなくなり、少々長く感じて飛ばし読みしてしまいました。
2024/05/28
Ryu
これでこそ小説だ。突然始まって、突然終わる。やたら長い。急にすごい文章が始まったり、異様に退屈だったり。読者のことは二の次でいい。この小説が、どう生きるか。暴れるか。生まれるか。るるると勝手に産出されているかのような文章。べつに、人間はあと。小説がさき。覚えた?お前は馬鹿。りーーーーん。と鳴る、のが、小説の音。聞こえないなら、帰れ。
2022/11/23
Ru
情景描写が岡本かの子さんの得意分野と思うけれど、風景の情景描写が長々と続く箇所はちょっと退屈。とはいえ女性が男性に頼らずに生き抜く姿は、当時としては衝撃的な内容だったのだろう。いや、現代人の私にとっても、自ら”乞食”となり、人生を模索する姿はやはり衝撃的。
2023/12/16
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