スモールボーン氏は不在 (SHOGAKUKAN MYSTERYクラシック・クライム・コレクション)
スモールボーン氏は不在 (SHOGAKUKAN MYSTERYクラシック・クライム・コレクション) / 感想・レビュー
紅はこべ
英国の事務弁護士と法廷弁護士の違いはサラ・コードウェルのテイマー教授シリーズで軽く学んだが、本作のように事務弁護士オンリーのミステリは珍しい。そしてギルバートがコードウェルを高く評価しているのが嬉しい。普通は法廷弁護士。英国らしい渋みと軽みを併せ持つユーモア系。不眠症で数字に強いブーンとおちゃらけ弁護士コーヴの組み合わせが良い。軽いおしゃべりが意外な伏線に。それにしてもこの程度の動機で殺人までに至るかな。
2019/12/14
Panzer Leader
ロンドンの大手法律事務所の書類金庫から顧客である人物の遺体が発見された。主席警部と共通の友人を持つ新人弁護士が捜査に協力する。この新人君が不眠症の天才的頭脳の持ち主って怪盗タナーみたいでとってもキャラがたった好人物。殺人事件なのに暗い雰囲気もなく、フーダニイットの本格派かつ、くすっと笑いながら話が進むユーモア・ミステリー。70年前とは思えないほどしゃれた雰囲気を持つ作品。
2019/05/16
maja
何の問題もなさそうな法律事務所の書類金庫から箱詰め状態で顧客の死体が発見された!晩餐会に集う事務所メンバーたちの様子が語られて登場人物相関図が一気に広がる幕開け。弁護士、秘書たち、スコットランド・ヤードの面々が群れたり散ったり、不眠症の新人弁護士ブーンがスコットランド・ヤードの主任警部に協力して謎を追うがそうしているうちに再び殺人が・・。熟れた軽妙な語り口で群像劇を見るようでなかなかに楽しい。再読。
2024/03/16
UPMR
法律事務所の書類保管箱から死体が飛び出すというインパクト抜群の事件。その専門用語飛び交う法律事務所内の軽妙な描写はまさに作者の面目躍如か。フーダニットとしてはオーソドックスで特筆すべきほどの個性はないが、一方でキャラはユーモラスに個性付けられ、特にシリーズ探偵のヘイズルリグ警部に次ぐ第二の探偵役として描かれる超人じみたブーンとお調子者のコーヴとの軽口が楽しい。古典的な本格ミステリでよく見られる、意外なほど終わり方があっさりしている感じは例に漏れないが、その軽さが舞台と似ず本書の魅力となってはいる。佳作。
2022/11/12
海さん
カバーにつられて借りた。たまに笑える部分があって、でもちゃんとしたミステリーで面白かった。
2021/08/14
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