絶対音感
絶対音感 / 感想・レビュー
禿童子
最相葉月のデビュー作。絶対音感という「神話」の実体を暴こうという熱意が日本の音楽教育の歴史とねじれを掘り出し、音楽家の意識の核心に迫る。良い意味で「地雷を踏む」のはこの著者の才能だと感じ入る。五嶋みどりの母娘の音楽との格闘の物語には息詰まる感が、小説家パステルナークが音楽の道を断念したストーリーを発端に、平均律のA=440ヘルツにまつわるピッチと周波数の論争など興味深い話が展開される。思いがけず一気に読んでしまう快作。本書が大きな反響を呼んだ結果、当時流行の絶対音感教育がその後どうなったかが気になる。
2016/12/24
森
図書館で借り読む。そういうことなのかと納得。(世の中まだわからないことばかり、個人のことなので、それぞれ認識が人さまざま。いい意味では「特殊能力」というほうが妥当かもしれない。悪い意味では「○○障害」となると勝手に思っている。またある意味ではすべての人が習得できるような技術ではないような気もする。)、でもいろんな事柄が繋がっていくである。きっと多かれ少なかれ、そういうことなんだろう。
2014/04/27
Toshi
読もう読もうと思いつつ、10年以上積読本であった。やっぱ面白かった、最相さん凄くいいです。私はハ長調とかイ長調とか、その意味が理解出来ない。(T . T)
2018/02/25
美東
2018年7月15日(日)の讀賣新聞の「本よみうり堂」における生物心理学者・岡ノ谷一夫氏の書評の冒頭。”私は、鳥やネズミなどの鳴き声の研究をしている。だから「動物には絶対音感があるのですか?」という質問をよく受ける。「人間以外の動物では絶対音感が主で相対音感は殆どありません」と答えると大抵の人が驚く。絶対音感は一部の芸術家に与えられた特権的な能力だという思い込みがあるからだろう。”
ムーミンママ
絶対音感。。国によって違ったり なかなか難しいモノなのですね。学校教育としての音楽の不自由さ、理不尽さに少しビックリしてしまいました。
2017/06/07
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