低欲望社会 「大志なき時代」の新・国富論
低欲望社会 「大志なき時代」の新・国富論 / 感想・レビュー
Akira
今の日本を「低欲望社会」と提唱し、その現状と問題点をいくつもあげている。個人的にタイミングも良かったのもあって、なるほど!確かに!と、感心感心。特に戸籍制度の廃止が少子化解決につながる事や、マイクロ・マネジメント、『21世紀の資本』の問題点(読んではいないけど)なんかは目から鱗てきな。なんとなく感じてたモヤモヤもスッキリしたような。やっぱり一番の問題は人口減少。「安倍政権は女性をもっと働かせたいのか、それとも女性がもっと子供を産みやすい社会にしたいのか?私にはさっぱりわからない」と言うってたのが印象深い。
2016/05/20
壱萬参仟縁
長野県の駐車場経営者によると、駐車場の料金精算機に入っている紙幣の状態で景況感が透けて見えるという。好況時は1万円札がピン札。不況時はしわくちゃな千円札とのこと。景気は紙幣への扱い方に現われる。ミクロな消費動向がリアル(5頁)。著者は、民主主義の原則からすると、職業によって税制優遇、低所得といって所得税免除はおかしいという(26頁)。日本では皆が等しく貧乏になっていく(棒グラフ29頁)。日本の総人口は減少幅が拡大(©BBT総合研究所51頁)。
2015/12/30
速読おやじ
6年前の本。アベノミクスを徹底批判していたが、これは未だ結果出ずでしょうか。株価上がってるけど相変わらずデフレから抜けきってないし、リフレ派の言う世界はまだ遠い。低欲望社会というキーワードは秀逸で、こちらは益々当たっているのでは。相変わらず提言は大胆。付加価値税(500兆×10%)+資産課税(3000兆×1%)で80兆円。人口確保のため戸籍を廃止し婚外子を認める、移民を毎年20万人。農水省解体し、経産省に一部移す。ドイツを例にした教育改革も面白い。エストニアのe-Gov制度がとてつもない。
2021/09/29
Yuma Usui
例えば株式を保持することで年利3%の利益が見込めるとしても預金を選択するなどリスクを取らなくなってきている日本人についての考察。他国の話だがエストニアの電子投票や電子納税申告の利便性に驚いた。たとえロシアに攻められたとしても電子上に国としてのシステムを持つことで各国に散っても存続できるという点は興味深い安全保障上の用途だと思う。日本の場合、都道府県や市区町村は地方公共団体ではあるけど権限の弱さから地方自治体とは呼べないとの指摘はドイツやスイスなど連邦制の国を例に比較されており考えさせられた。
2020/07/11
HMax
大前さんの本は本当に面白い。問題分析は一流、その問題解決方法も正論で明解。各種提言も昔から変わらず、歴史にifは禁物ですが「平成維新の会」が成功していれば、日本は変わっていたでしょうね。特に、国の仕組みを変える道州制は、必ず実現しなければならない最重要課題だと思います。これが実現すれば、各地域で国の規制なく各地域にあった改革が実行でき、フラッグシッププロジェクトも実現可能です。霞ケ関の机上で全国の規制を行なう傲慢な役所は21世紀には不要です。
2016/03/24
感想・レビューをもっと見る