鱗姫
鱗姫 / 感想・レビュー
神太郎
初嶽本野ばらさんの本。なかなかに不思議な物語。大人の暗黒童話として読めるかな。作中で語られる楳図かずおの「おろち」に出てくる美少女(楳図さんのは大体美少女だが)に「クトゥルフ神話」を足したようなホラー風の家系にまつわる実に奇妙な物語だ。美を追求する少女にふりかかる鱗病なる謎の病。同時期にストーカーに襲われありもしない噂を言いふらされ…。なるほどこれが耽美というものか。でも、所々にボロが見えてしまってるからギャグテイストも込められ嫌味なく読めるんだろうな。ラストは何となく察してたが背徳的!故に美しいのかな?
2022/04/09
井戸端アンジェリか
美に固執する余りの白鳥麗子的ギャグかと思いましたら、意外と深刻な展開にのめり込んでしまいましたわワタクシ。読んでいる間中、裏表紙の内側から著者のお顔がチラチラこんにちはしていて、ほほぅでしたの。ほほぅついでに画像検索致しましたらもうお年を召していて、ん゛ん゛ーになってしまいましたが、作品の独特の世界は良くってよ。
2016/05/19
鯖
すっごい久しぶりに読んだ。嶽本さん、また捕まってたね…。全身に鱗が生える病にかかった美少女がエリザベート・バートリと同じ方法で病気の進行を止めようとする。独特の美学と、振り切れたギャグっぽい描写とがぐちゃぐちゃになって、なんともいえない小説。
2015/09/30
かりん
武本作品初読みだったが、耽美でエログロな世界に魅了され面白かった。他の作品も読みたい。
2015/04/04
カイロ
嶽本さんの書く女の子は女の子要素凝縮されていて、最高にかわいいです。この場合のかわいいは、遠くから眺めて楽しむかわいさ。関わり合いになると面倒な子極まりないし、かわいい要素を汚してしまう気がします。「鱗病」という病は、悲劇的かつ不思議な魅力を持つ病であると思います。よくある花吐き病とかと同じ耽美な匂いを感じます。主人公ちゃんの感情は予想がついたけれど、「お兄様」の感情は想定外でした。単なるシスコン気味の兄だと思っていたのは、伏線が弱かったからか、それとも「お兄様」が理性で感情を押し隠していたからかは不明。
2015/09/09
感想・レビューをもっと見る