恋愛寫眞: もうひとつの物語
恋愛寫眞: もうひとつの物語 / 感想・レビュー
遥かなる想い
ぼくと 静流の恋の物語である。 大学のキャンパスで 繰り広げられる ぼくと 静流とみゆきの 日々 …静流の ぼくへの 想いが 本当に いじらしく、 心に痛い。優しい筆致は 残酷な事実への 予兆なのだろうか? 嘘つきだった 静流の ぼくへの手紙に隠された 真実が いつまでも 優しく心に残る、そんな物語だった。
2018/11/10
chimako
市川拓司の恋愛小説なんて何年ぶりだろう。恋をすると病気になって死んでしまう……そんな女の子を愛した青年の話。愛された女の子の話。エピローグだと描かれたアメリカでの静流の個展。写真を追う誠人とともに、静流の撮った写真を、静流を撮った写真を、静流と誠人が写った写真を見て涙が流れる。目の前に二人の月日が見えるようだった。たまにはこんな恋愛小説もいい。こんな年になってもね。
2018/12/19
あも
泣いてはいない。けど。付箋だらけになった本を見る。誰かを特別だと思う。愛しみ慈しむ。知りたい、知ってほしいと願う。他の誰でもないあなたに。真に心が通じ合ったと感じる瞬間さえあったなら。それだけで生きていく事もきっとできるんだろう。あなたが今日笑っているように祈る。全て剥ぎ取った後に残るものが、祈りが、愛ならば。自分が死んだ後まで、そう思える相手に出逢い、愛しきった静流が不幸だったなんて誰も言えない。幸せだったね。ただ一人の相手を愛して。後悔も迷いも背負って。自分自身と少しだけあなたを巻き込む、特別なそれ。
2020/07/23
mint-s
彼女は嘘つきだった。でも、その嘘はいつだって相手を思っての嘘だった。いや、僕のための嘘だった。大学生の誠人と静流の恋。誠人に出会いひたむきに思い続けた静流の最初で最後の恋は美しくて切なくて。
2020/03/27
瑪瑙(サードニックス)
何年も前に読んだ作品。当時はラスト涙を流しながら読んだ。朝ドラで玉木宏さんと宮崎あおいさんを見て、『ただ、君を愛してる』で共演されていたのを思いだして、原作のこの本をもう一度読みたくなり手に取りました。やはり切ないお話でした。もどかしくて、切なくてでも、温かくて、心に残る作品です。恋愛ものは苦手なのですが、この作品は好きです。それはやっぱり、静流が魅力的だからだと思います。
2015/12/06
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