漱石先生大いに悩む
漱石先生大いに悩む / 感想・レビュー
Tadashi_N
「吾輩は猫である」異説。
2021/09/12
Our Homeisland
名人、とても偉大な作家の清水義範氏の作なのに、どうして、こんな人数しか読んでいないのかが、まず、びっくりです。この人の作品としては、仕掛けも穏やかでそんなにびっくりするような作りではありません。読みやすくて普通に最後まで読めるし、それほど物足りないという読後感でもありません。この人の上手さというのは、こういう有名人物を題材にしてしまうあたりで、しかも、誰もが知っている名作についての話なので、ちょっと、反則ぎみという気がします。よくできた良い小説だと思います。
2013/11/19
舟江
文学素人の私にとって、明治30年代が良く解り、尚且つ言文一致の推論も面白く、大変楽しく読むことができた。お薦め本である。
2017/05/16
shamrock
たのしかったー。「心訓小説」に続いて文学探偵読了2冊目。偶然「わたし」の元に持ち込まれた夏目漱石の書簡から広がっていく推理。「わたし」パートと「漱石」パートが交互に配され、最終章はそれらが融合し、漱石の本当の姿が明らかに。うまいなあ。軽く読みやすい文体で、従来の漱石像というものをひっくり返されました。あとがきが重要。
2014/06/28
ようこ
漱石が好きなのは、明治の偉大な文豪の作品の中に自分と同じような悩みや葛藤や喜びを見出すことができるからだと思うのだが、この一冊を読み、論理的な文章を確立したのが漱石であり、それを確立することができたのは英文学を漱石が学んでいたからだということに目からうろこ。本の筋としては漱石が口語体で論理的な作品を生み出した陰に知的な女性との交友あり、というもので、終盤思いがけなく切ない展開になるが、それもまた漱石の人間性を浮き上がらせてこの作品の魅力になっている。
2012/01/01
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