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万寿子さんの庭

万寿子さんの庭

万寿子さんの庭

作家
黒野伸一
出版社
小学館
発売日
2007-03-30
ISBN
9784093861823
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万寿子さんの庭 / 感想・レビュー

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ぶんこ

唯一の家族である娘が遠く離れた所にいて、代わりのようにご近所さんの孫のような京子さんと仲良くなった万寿子さん。意地悪をされているご近所のおばあさんと仲良くなれる京子さんはすごい。ただの仲良しではなく、万寿子さんが認知症になってからも、一人で壮絶な介護をしていました。両親の介護を一人でやってきたので、この京子さんの献身には頭が下がります。自分が万寿子さんだったらと思うと、とても羨ましい。京子さんのような親友に巡り会えるのは宝くじに当たるより難しい。何よりお互いを親友と言えるのが素晴らしい。

2022/02/06

達ちゃん

とっても不思議な関係の女性2人なんだけど、こんな感じこそ「親友」なのかもしれません。出会いがあって別れがあってちょっぴり切ない読後感です。

2020/01/24

こたた

コンパクトでスピーディー。風情・温もりがある傑作。情報を漸次小出しにするタイプの小説であるため、読み進めるにつれて哀しくも幸福な全体像が解ってくる。京子自身のことも会社のことも過去のことも気になる男性のことも、そして万寿子さんのことも全てにおいてそうだ。そういう形式であるからこそ万寿子さん(72)と京子(20)の間の友情が読者の脳内で成立する。黒野作品は『極貧!セブンティーン』『限界集落株式会社』と読んできたが、本作は「弱者」をテーマにしている点では同じもののずいぶんとタッチが違うので驚かされる。

2015/09/23

雑木林太郎

万寿子さんはずっとこんな日々を望んでいたんだろう。京子さんが近所に越してきたことにより、彼女の孤独な人生に大きな変化が起こる。ページを捲るたびに、万寿子さんのうれしさがどんどん伝わってきた。最後に現実の厳しさが待っていたが、万寿子さんは本当に幸せだったと思う。また、京子さんも、真剣に万寿子さんと向き合ったことで、大きな成長を遂げられた。素敵な男性2人は彼女の成長度のバロメーターみたい。どんどん魅力的になる京子さんに、どんどん魅了されていく。いろいろな視点から楽しめた1冊だった。

2015/04/03

Akiki

今日、図書館で何気なく手に取り、なんとなく借りて、帰りの車の中で読みはじめ一気に読了。世間知らずで甘ちゃんの新米OLが、近所の意地悪ばあさんと角付き合わせながらも仲良くなって、人間として成長し、やがて素敵な恋をして賑やかに楽しくハッピーエンド(笑)という話だったらよかったのに・・・小説で現実を突きつけられるには今日のわたしはちょっと心身ともに弱り過ぎていた・・・もっと元気で力が溢れている時に読むべき本。

2014/01/24

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