限界集落株式会社
限界集落株式会社 / 感想・レビュー
にいにい
初黒野伸一さんの作品。舞台は、タイトルどおり限界集落。周りから見捨てられている奥深い山村の振興物語。英雄的な主人公の活躍と揃いすぎてる脇役によって、うまく行き過ぎる位に、一つの限界集落が甦る。農業の収益性の課題やオタクの影響力、市場原理や自治体の本音なんかがちゃんと描かれている。ロマンスの進行や事件も面白い。実際の地域振興に取り組むひとには、甘過ぎるとの批判が出るだろうけど、舞台に取り上げることで、限界集落への興味、理解が、深まればと思う。黒野さんのチャレンジに敬意を。読む価値はあった一冊。
2013/12/25
超運河 良
強みに集中する事は苦手や弱みを普通レベルや得意となるまで引き上げるのは難しい。強みを伸ばすほうが効果的でメンバーが同じような強みを持っていても、それは外から見れば弱みがある状態で一人一人が異なる強みを持つと外から見て弱みがない状態にすることができる。強みでも時間が経って人々ができるようになると陳腐化して価値が低下する。強みは外の組織に目を向け、触れ合い、入り込むことによって、得意な事を時間的に見る事で外から内側を見る事が出来る。本当の強みによってどんな事でもチャンスに変えていく事が出来る。
2015/12/02
ちはや@灯れ松明の火
郵便局も診療所も小学校もねえ、麓に行くにもバスすらねえ。それでも生まれ育ったおらが村を離れねえ。過疎化高齢化で限界スレスレの農村に脱サラエリート救世主登場、百姓率いていざ農業改革村興し。営農組織作るべ、脱農協図るべ、稲作には犠牲になってもらうべ。猿にも猪にもカマキリ小役人にも負けねえで守る作物育む信頼。ネットで拡がり繋がる世界、ベジタ坊&野菜のくずでゆるキャラ旋風、軽トラ乗って販路拡大営業行脚。暗転した豊穣祭り、経営破綻の危機に奮い起つべ全村民。希望を捨てねえ、復興は止まらねえ、限界なんてどこにもねえ。
2015/04/13
kishikan
町・村興しの物語は、重松さんのいとしのヒナゴンや荻原さんのメリーゴーランド、有川さんの県庁おもてなし課など沢山あるけど、この本のような民間主導型は珍しい。ラブコメ風かつ若干教訓じみた文体は有川さん的だけど、日本の農業が抱える問題(兼業農家や農地法、流通など)に、経営で切り込んだ所はさすが黒野さん。日本の農産品は品質、味の面で世界1だと思うが、何せ制度でがんじがらめ。後継者も出ず個人事業の形態から抜け出せない中では、このような農業生産法人化も一案と思うが。ただし限界集落問題の解決は、こんなに易しくはない。
2012/03/12
KAZOO
もう少し経済的な分析や対策などの側面があるのかなあと思っていました。まあそれよりもエンターテイメントとしてこのようなこともあるのかということで、今の若い人に読んでもらうのがいいのかもしれません。知識人がまともな対策などでいうよりも、このような希望を与える物語でいったほうが効果があるような気がしました。
2015/10/25
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