震える牛
震える牛 / 感想・レビュー
ウッディ
初動捜査を誤り未解決だった殺人事件の再捜査を命じられた田川刑事は、被害者である廃品回収業者と獣医の背景を調べるうち、単純な強盗殺人ではなかったことを知る。地道な捜査から明らかになる食品偽装という大企業の闇をあぶりだす社会派ミステリー。企業が倫理を失い一線を越えて提供する安くて旨い物は恐ろしい。「震える牛」というタイトルは比喩ではなかったんですね。ラストのどんでん返しを知り、プロローグを読み返すと著者の想いが伝わってきます。読み応えのある内容で、分厚い手帳の内容が刑事の思考を表しているようで面白かったです
2019/02/14
文庫フリーク@灯れ松明の火
「どれだけ無駄足を踏んだかで捜査の結果が変わってくる」この言葉を体現するかのような継続捜査班・田川警部補。肥後守で削った鉛筆で現場周辺の聞き込み・事件関係者の繋がりを徹底的に洗い、膨大なメモを取る。アナログ捜査の猛者は通称「地取り鑑取りの鬼」と呼ばれ、2年前の不良外国人による居酒屋での強盗殺人事件を追う。刑事物で有りながら捜査の過程で暴きだされるのは、大型ショッピングセンター等、大型店舗の焼き畑ビジネスと、安全性度外視・利益最優先の加工食品の実態。チェーン店居酒屋の安価なハンバーグ。元生産課長の小松が→
2013/09/26
えむ
血の轍に次ぎ相場英雄氏2作目の読了。警視庁捜査一課継続捜査班の田川のもとに二年前に起きた未解決案件『中野駅前 居酒屋強盗殺人事件』が持ち込まれる。捜査を開始すると「逆手持ち」「モツ煮」「豪勢な宿」「ベンツ」と新たな謎が浮かび上がる。他の作者にみられる刑事の閃きではなく一つ一つが見事に繋がっていく筋に満足しました。3053
2014/02/12
kinkin
面白さに一気読み! 中盤から俄然と面白さが増す。内容は伏せます。おすすめの1冊。ぜひ。
2014/03/27
つーこ
「これ読んだら総菜買えなくなるよ」と先に読んだ主人に言われたので覚悟して読んだんですが、衝撃は想像以上に大きかった。『雑巾』という言葉が胸に突き刺さった。消費者をばかにしているような食品加工の実態。だけど、安い物に列をなすのも現実の消費者でもある。商品と値段と産地、今まで以上に自分の頭で判断して物を選ぶ必要があると思った。リアリティのあるラストも衝撃でした。
2013/07/25
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