その手をにぎりたい
その手をにぎりたい / 感想・レビュー
ダイ@2019.11.2~一時休止
バブル期のOLと鮨三昧。登場人物の考え方がまさにバブルって感じだった。最後でタイトルにつながっていい終わり方でよかった。
2014/11/16
しゅわ
【図書館】ジャンルは恋愛小説かな?栃木出身の純朴なOL・青子が銀座の高級寿司店と寿司職人・一ノ瀬に惚れ込み、自分が稼いだお金で通い続けたい!と一念発起します。1980年代、いわゆるバブル景気、そしてその崩壊…とその時々の事件や話題を織り交ぜて描く10年間。こちらは当然、その後の時代を知っているので…バブル狂乱に巻き込まれてゆく青子の危うさにハラハラ。柚木さんらしい食べ物描写があいかわらずおいしそうです。子供が犠牲になる凄惨な事件に「こんな世の中で、無事に育てられるのか」という幸恵の不安が妙に印象的でした。
2014/11/19
hiro
柚木さんの本は『ランチのアッコちゃん』に続いて2冊目。今度は銀座の高級鮨店が舞台。主人公はOLの青子。その青子のバブル前の1983年から、はじけた後の1992年までの約9年間を描いた小説。この間、カウンターの距離を縮められず、最後に、一ノ瀬の手をにぎりたいという青子の望みがかなうラストシーンは少し切ないが、ただ清子は一ノ瀬以外の男に目もくれないという設定でないのが、この小説の面白いところだ。バブルとは縁が薄く、いつも上司と銀座に近いJRのカード下で飲んでいた、若かったこの時代の自分のことを思い出した。
2014/04/08
Satomi
「バブル期OL 大河小説」一回の食事に5万円。正しくバブル!!カウンターを通じての青子と一ノ瀬とのやりとりはイライラさせらた。それだけにラストで隣に座り手を握るシーンはなかなかの刺激があった。一ノ瀬が握る鮨、官能的な手の動き、思い浮かべただけで握りしめたくなる。
2014/04/15
あすなろ
お鮨を職人さんの掌から直に受け取る。そんな超高級寿司屋があった時代のお話。それを、当時物心ついたかつかぬかの柚月氏が描く。超高級寿司屋に自分が合うように、自分を成長させる。店やモノに憧れ、見合う自分になるということは、現代でもあることと思う。若干、減っているが。それよりも、この時代は、皆服の生地や肩パットが目一杯入っていたのと同じく気持ちにも空虚なパットが入っていた時代。そこを虚ろに想像して描いたのかな?という正直な読後感。しかし、鮨の描写は実に旨そうだ!
2015/11/11
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