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胡蝶殺し

胡蝶殺し

胡蝶殺し

作家
近藤史恵
出版社
小学館
発売日
2014-06-20
ISBN
9784093863803
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胡蝶殺し / 感想・レビュー

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風眠

帯に『満を持してのミステリー』とあったので、これが殺人に繋がるのか?・・・あれ?いつ事件が起こるんだろうと思いながら最後まで読んだけれど、誰も死にません。梨園を舞台に、父を失った子役の後見人になった主人公が、葛藤しながらも前に進んでいく物語。歌舞伎の子役に焦点を当てたことで、その周りにいる大人たちの執念や懊悩が浮き彫りにされ、梨園を背負うということは大変なことなんだなと、伝統芸能の厳しさを感じた。大人の事情とは関係なく、ただ踊りたい、演技をしたいという2人の子役たちがいじらしくて、愛おしい気持ちになった。

2015/01/25

hiro

『胡蝶殺し』という題名から単純に、梨園を舞台にした殺人事件が起こるミステリーだを思い込んで読み出した。しかし、この‘胡蝶殺し’という言葉には、全く違った意味が込められていた。中川右介著『歌舞伎 家と血と藝』を読んでいたので、歌舞伎の歴史、そして家と血と藝について少し知識はあったが、改めてこの小説を読んで、子役の秋司と俊介を通して、歌舞伎の世界の家と血と藝について、実感することができた。この家と血と藝に押しつぶされそうになっていた秋司親子は、それを跳ね除け、秋司と俊介は胡蝶を舞うことができるのだろうか。

2014/09/02

ちょろんこ*勉強のため休止中

題名に”殺し”とあるが、いわゆる犯罪小説ではない。ミステリー要素を含んではいるものの、深い愛の物語。歌舞伎界が舞台になっているところが魅力的。芸の道の厳しさや、人脈関係の大切さ、役者同士の確執が分かりやすく描かれていた。エンターテイメント性が高く、脳内でビジュアル化しやすい。ライバルともいえる少年2人のキャラ設定が丁寧で、このまま歌舞伎版スポコンの方向に行くのかと思ったほどだ。それにしてもやはり愛情がテーマの小説はいい。コンパクトにまとまりすぎな気もするが、読みやすくてドラマ性も高い一冊だと思う。

2014/08/17

ダイ@2019.11.2~一時休止

近藤さんがお好きな歌舞伎の世界。本作では子役にスポットがあたっていて、歌舞伎の世界を堪能できます。

2017/10/22

タックン

はたから見て華やかそうな歌舞伎界(梨園)の厳しさが詳しくない俺でもよくわかった読みやすかったです。なぜこんな題名がつけられたのか?また秋司が(踊りはやめるけど芝居はやめないって)なぜ言ってたのか?・・・・最後にわかったときは秋司の聡明さ・思いやり・孤独感に感動でふるえました。そして自分の過去に恥ずかしくなりました。性格は反対だけど俊介の聡明さにも清々しい気持ちになりました。短い文章の中に父・母・子それぞれの思いが上手く描かれていてよかったです。今年1番だと思うほどの作品なのでお勧めです。

2014/11/13

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