波に乗る
波に乗る / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
文庫化された作品が最近目立つように平台に置いていたので、手にとりました。夏に読むのにピッタリな感じの作品です。仕事をひと月で辞めてしまい、どん底だった「文哉」のもとにかかってきた一本の電話は長らく疎遠だった父親の死を知らせる内容でした。父がどんな暮らしをしていたのか、まったくわからない息子が生前の父の姿を知るために、父のゆかりの地へ向かいます。そこには自分のまったく知らない父の知られざる素顔が存在し、自分もまた気づかなかった一面を認識していきます。唯一残念だったのは姉「宏美」の存在で、苦手キャラでしたね。
2019/07/18
Shinji
文哉の状況が自分の当時と少し重なって、あっという間に感情移入。思い出を考えることがあっても、父親の人生を振り返ることはあまりない。 反発の為だけだった文哉の言葉、芳雄のセカンドじゃないサードライフ... その人生に生き甲斐を与えた「丘の上の家」。アプローチが違っても、同じ汗を流して同じだけ必要とされ、亡くす哀しみも優しさに包まれる事も刻み込めた。遺されたボードの上から、海に抱かれた夕陽を臨んだラストでは、私の耳にも波音が追いついたように聞こえました♪ いつまでも大切にしたい一冊ですね。
2016/09/01
ゆみねこ
就職したばかりの会社を1カ月で退社した文哉のもとに、疎遠になっていた父の訃報が届く。男手ひとつで姉と自分を育てた父、しかし亡き父の遺品を整理するうちに知らなかった父のことが色々と見えて来る。タイトルそのままのストレートな展開ですが、館山の美しい海が目に浮かぶようでとても良かったです。姉宏美にややいらっとさせられましたが(笑)
2015/04/03
ぶんこ
離婚後、男手一人で二人の子を育てた父親。 その子供達と疎遠になって、早期退職後移住した南房総で、ひっそりと急死し、死んだ後も子供達はつれなくてと思いこんで読んでいて、切なくなってしまいました。 親を、こんなに寂しく、素っ気なくみおくっていいのかな? 葬儀をしても参列者もいないだろうと思われていた父。 遺品整理に出かけた父の家で、知らなかった父の生活を知ります。 大勢の親しい人々がいて、偲ぶ会を開いてくださった。 読んでいて涙が出ました。 寂しい老後でなかった。 文哉君や宏美さんにとっても良かったですね。
2015/10/26
七色一味
読破。ベタといえばベタな展開ではありますが…。喧嘩別れした以降の父親の「見知らぬ姿」を知っていく過程での、色々な人々との交流が主人公を精神的に成長させていく青春物語です。結構オススメです^^
2015/08/19
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