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砂の街路図

砂の街路図

砂の街路図

作家
佐々木譲
出版社
小学館
発売日
2015-07-29
ISBN
9784093864121
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砂の街路図 / 感想・レビュー

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スパシーバ@日日是決戦

C (2015年) 20年前(当時主人公は12歳)、妻と息子を残して消えた後、運河に転落し死んだ父。多くを語らず笑顔が消えた地元出身の母と父は大学の同期生だった! 父の死の事情について知りたいとその街を訪れることを決心。架空の設定とはいえ、道内出身者なら小樽や函館を思い浮かべるでしょう。それと気になった「白系ロシア人」。ネットで検索してみると、ロシア革命後ロシア国外に脱出、あるいは亡命したソビィエト系旧ロシア帝国国民とあるが、世界史に疎いため??(但し、ニコライ堂や函館ハリストス正教会は知ってます)。

2016/07/26

それいゆ

佐々木さんの作品を初めて読みました。表紙裏の地図を何度も見ながら読んだので、この運河町の街路図が頭にたたき込まれ、通りや建物の位置関係がだいたい分かるようになりました。この作品の内容は街を歩く場面ばかりで、はたしてこんな細かい町歩きの描写が必要なのか?という疑問でいっぱいです。父が葬儀に出席した理由が最後に明らかになりますが、何か取って付けたような感じがします。もっと両親や漕艇部の人たち、亡くなった美加さんとの関係に絞った内容にしてほしかったです。漕艇部の事件も、私はこんな事件は何ともやるせなくて嫌です。

2015/09/08

いつでも母さん

今作は途中リタイアか?と焦る。これは氏の『ファンタジー』の類だろう。読了後は、やはり佐々木ワールドを堪能した感じになっているのだ。恐るべし。小樽ではない(笑)北海道『運河街』が舞台。母が亡くなり結婚を控えた自分が、20年前にこの地で亡くなった父の死の謎を探す。そこは父の青春があった街。それはもう一人かつて自殺した女子マネと大学の闇を曝けだす事でもあったのだった。人には触れたくない過去が有る・・が結果、解明され尚且つ『運河街』に住もうとするも婚約者は来るか?色褪せたような街の雰囲気に惹かれて本を閉じた。

2015/08/25

starbro

佐々木譲は新刊中心にコンスタントに読んでいる作家です。本作は地味なテーマながら著者の筆力で読ませます。但し、途中から結末が予想でき、もう少し頁数を増やし、捻りが欲しかった気がします。多少消化不良かな?

2015/08/28

ふじさん

俊也は、20年前に失踪し、事故死で亡くなった父に何があったのかを真相を求めて、父が学生時代を過ごし、命を絶った郡府を尋ねることになる。多くの人々に、父の学生時代の話を聞く中で、見えなかった事実が少しずつ見えてくる。そこには、哀しく切ない真相が隠されていた。俊也が多くの人々との話から真実が少しずつ明らかになる手法は、佐々木譲の作品ではよくあり、謎解きの楽しさも存分に味わえる内容で面白かった。架空の北海道の地方都市を舞台に、その土地の風物を取り入れながら、当時の世相も織り込み、懐かしさも味わえる作品だった。

2022/06/27

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