夏の雷音
夏の雷音 / 感想・レビュー
ミカママ
作品中で語られたミュージシャンを、身近に感じられる世代だからこそ、楽しめたミステリー。当時は洋楽全盛だったものねぇ。大学准教授という、少々変わった肩書きを持つカン先生が主人公。神田神保町を愛する著者の、オマージュ的作品でもあります。冒頭のカツカレーテロで、いきなり胃袋をわしづかみ!堂場さんの描く主人公は、いつもB級グルメ的な、美味しいモノに囲まれてます。これもまた、シリーズ化されそうなうれしい予感♬
2016/02/06
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
本の街、音楽の街、スポーツの街である神田。その神田でオークションで競り落とした幻のギターが盗難にあった。後輩のギター店主から泣きつかれ、渋々捜索に乗り出す吾妻。主人公は神田神保町で生まれ育ち、そこで暮らす大学准教授という設定は面白い。「神保町のソウルフードはキッチン南海のカツカレーである。」で始まる冒頭がいいね。喫茶「さぼうる」「古瀬戸」、カレーの「ボンディ」「共栄堂」、冷し中華の「揚子江菜館」などなど神保町に馴染みのあるお店が随所に出てくる点も楽しい。また怪しくグルメ探検せねばなるまい。(笑)★★★+
2018/11/03
あすなろ
アド街ック天国・神保町&堂場氏の趣味。そして、飯テロ。語弊恐れず記せば、そういう作品です。さぞかし愉しく書き上げられたことと思いますよ、堂場さん。否、決して否定論ではない。これはこれで良かったですね。皆様の感想からも理解してたことですから。兎に角、飯テロは困ったものでしたよ、Ammieさん!
2015/12/23
hiro
堂場作品を読むのは3冊目だが、ミステリは初めて。登場するのは、ほぼ主人公吾妻准教授の地元神保町周辺という限られた場所のミステリ。その吾妻は高校の後輩安田が幻のギター『58』を盗まれたことから、その事件に首を突っ込むが、その安田が殺されてしまう。携帯電話も持たない無精髭の独身中年法学部准教授の探偵役と、神保町地域限定という設定が面白いミステリだった。学生の逢沢杏子が検事となって、吾妻と二人で神保町の事件を追うという続編も面白そうたが、その場合でも、携帯電話を持たず、少し無茶をする吾妻‘教授’でいてほしいw
2015/09/22
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
神保町を舞台にしたミステリー。〈本の街〉で知られるこの街は、実は古書・音楽・スポーツの三つの柱でできている。本作は、クラプトンが使った幻のギターを巡る謎を地元育ちの大学准教授が追うという設定。オークションで1億円の値がついたギターが盗まれ、落札した楽器店主が殺された……。謎解きよりも、主人公が〈音楽の街・神保町〉を疾走するミステリーツアーを一緒に楽しむのが正しい読み方かも知れない。老舗の喫茶店やカレー屋など実在のショップが巧みに配されている。物語から漂う80年代の薫り。この街は時代遅れの男がよく似合う。
2015/07/09
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