タスキメシ
タスキメシ / 感想・レビュー
さてさて
『前を走る奴とも後ろを走る奴とも、自分自身ともずーっとずーっと、戦わないといけなくて』と苦悩しながらも新春の風の中を駆け抜けていく、駅伝の魅力を味わえるこの作品。『甘辛いタレの味と一緒に、噛んだ瞬間にアスパラの水分が染み出してくるのだ』といった食の絶品描写が味わえるこの作品。そして、『もう、俺は弟に負けないで済むんだ』という複雑な感情が織りなす人と人との絆を描くこの作品。今まで読んだことのない”襷”と”飯”の組み合わせが編み上げる斬新な物語世界に、青春っていいな!と味わい深く感じ入った、そんな作品でした。
2021/09/25
zero1
生きるため、走るため人は食べる。話題になる作品には理由がある。駅伝選手に限らず多くの競技者は敗れ引退する。そして有望な選手もケガに悩み、料理が人を結ぶ。何より競技者は食が大切。箱根駅伝に出た春馬には兄の早馬が目標として存在。しかし早馬は高校時代、剥離骨折で長期離脱。リハビリせず調理室で都と料理する毎日。兄弟とライバル、チームメイトの想いがぶつかる。都には彼女の物語があった。助川など視点の変化は上手さを見せる。少しだけ遡る構成も見事。名言も多数(後述)。62回読書感想文全国コンクール高校課題図書。
2020/11/22
ウッディ
故障でリハビリ中の長距離ランナー早馬は、料理研究部の都と出会う。母が亡くなり、偏食が酷くなった弟春馬を支えるため、料理にのめり込む早馬は走ることを捨ててしまうのか?同じ競技で競い合う兄弟のそれぞれの想い、そして両親の不仲によって、周囲からの施しや憐れみを受けることへの拒絶として、料理を上達させざるを得なかった都が切なく、早馬と都のもどかしいような恋の行方は青春っぽかった。一方、箱根駅伝の同じ区間を知り合いが走り、トップ争いするというのが、無理がある設定で、このシーンは必要なのかという疑問が残りました。
2020/03/02
菅原孝標女@ナイスありがとうございます
額賀澪さんとの出会い。当時の読書感想文コンクールの課題図書だったのでこれを読んで感想文を書いたのを思い出す。爽やかで、人間味に溢れているなという印象。小説がもっと好きになったきっかけの小説。今も額賀澪さんが一番好きです。
2016/08/25
ナイスネイチャ
素晴らしい青春小説でした。過去2作からハードル上がってましたが、杞憂に終わりました。読後感こんなにスッキリした感じは久し振りだなぁ。もうこの作家さんの次回作期待してます!
2015/12/19
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