本を守ろうとする猫の話
本を守ろうとする猫の話 / 感想・レビュー
starbro
夏川草介は、新作中心に読んでいる作家です。帯には21世紀の「銀河鉄道の夜」と書かれていましたが、私は夏川草介版「吾輩は猫である」として読みました。ライトな感覚のブックス・ラヴ・ファンタジー、傑作ではありませんが、書店員には評価されそうなので、次回の本屋大賞にはノミネートされるのではないでしょうか?大賞を取るほどのインパクトはありませんが・・・本作で2月は読了です。
2017/02/28
青乃108号
つくづく、俺って本が好きなんだなあ、と思ったよ。これは本が好きな人全てに贈られたファンタジー。「本を救い出す」為に数々の本の迷宮に猫と共に挑む引きこもり少年の、本当に本が好きなんだなと思わせるひたむきな姿と、「本をすくい出す」度に少しずつ成長していく姿に思わず「頑張れ」と応援せずにはいられない。同時に気付く事がある。何故俺が本を好きなのか。……やっぱり俺は本が好きだ。もう少し読んでいたかったけれど、また新しい本へ進もう。どんどん読んで行こう。
2024/08/18
うっちー
読書の深掘りができていないことを痛感しました。神様シリーズは続くのでしょうか
2017/04/14
Nobu A
夏川草介著書8冊目。17年刊行。今まで医療関係を題材にしたものしか読んでこなかったから「こんなファンタジーも書くんだ!」と言うのが脊髄反射的感想。筆者が憧れる夏目漱石の名前から取ったペンネーム。「吾輩は猫である」ばりの動物視点からの行動・心理描写。現役医者ながら文学者宛らの文才から本好きは容易に想像出来る。筆者が描きたかった物語だったのだろうな。物語自体は可もなく不可もなくと言ったところだが、書籍の重要性が随所に染み渡る筆致。「本には力がある」が心に響く。そして時代を駆け抜けてきた本は読む価値がある。
2024/08/29
bunmei
『神様のカルテ』以来の夏川草介。古本屋を舞台としたファンタジー。昔気質の祖父が細々と営んでいた夏木書店。最近の本屋では決して見ることのない名作と呼ばれる書籍。祖父の思いがこもった陳列がされていた。その祖父が急死し、1人残された自暴自棄になりかけていた林太郎。そこに現れたトラネコ。しかもトラネコは偉そうに林太郎に「本を解放して欲しい」と…。夢か現かわからない不思議な世界がそこには広がり、読む人の心を誘います。そんな不思議な世界を行きつ戻りつする中で、林太郎が大人への階段を一歩一歩登っていきます。
2017/05/03
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