教場0: 刑事指導官・風間公親
教場0: 刑事指導官・風間公親 / 感想・レビュー
starbro
長岡弘樹は、新作中心に読んでいる作家です。教場(スチュワーデス物語?)シリーズ第三弾の連作短編集、今回は風間道場で指導官の立場なので、普通に警察小説と言った感じでした。面白くなくはないですが、教場シリーズの前2作ほどのザワザワ感はありません。オススメは『第四の終章』と『指輪のレクイエム』です。
2017/11/10
Yunemo
まだ若き時代の風間教官。ノウハウ、手法の伝授、というより刑事という職業の真の意味、自分自身で解決に向けて、推理し確証を積み重ねていく発想と粘り強さ。このOJT手法、どんな業界にも通じるものですね。新人をどう育てていくのか、やる気のある人間をどう取り上げていくのか。内容は、というと、言葉悪く言えば爽やかすぎて、心の闇をこれでもかというほど記した前2作に比して、物足りなさ感が。でも、だからこそ「0」で良いんです。この道場を卒業した6人のその後の物語も、またまたこの時代の前の風間刑事の活躍も、と想いは募ります。
2018/02/04
サム・ミイラ
刑事時代の風間教官を描く教場前日譚。片目を失った理由もしっかり描かれる。やはり風間は指導する立場。難事件に挑む主人公が一話毎にバトンタッチする連作短編集でこのあたりはやはり教場的である。第一話は初出が四年以上前という事で少々スタイルは違うが後の作品は倒叙形式の殺人事件。そこで気づく。これは刑事コロンボへのオマージュなのだ。タイトルが全てコロンボ作品のもじり!三枚の画廊の絵は二枚のドガの絵だし、毒のある骸は毒のある花。第四の終章はもちろん第三の終章。まさかこんな仕掛けがあるとは!いやたいした作家だ(笑)
2018/01/25
しんたろー
『刑事コロンボ』のような倒叙ミステリ形式に、新米刑事と教官役刑事の実地訓練を抱き合わせた短編6つ…ホストと別れたいOL、息子の進路を心配する画家、不登校児を抱える母、売出し中の舞台女優、認知症妻を抱える夫、出世間近の司法解剖医…現実感ある犯人を40ページ程で描き、ドラマが盛り込まれていて、短いトリビア小話が伏線になっているのもニクイ。『傍聞き』や『教場』の頃の鋭いキレが戻った感じ。父子の情が余韻ある『三枚の画廊の絵』、女心の切なさ漂う『指輪のレクイレム』の2編は特に秀逸!風間と新米たちの後日談も読みたい♪
2018/03/04
のり
県警捜一での指導官時代の風間。育成を目的とした風間道場に一人一人入門し、鬼のような観察眼と考察力を肌で感じ成長していく。6人の弟子と呼ばれるような存在になって欲しい。現場ならではの苦悩も随所にみえる。その都度、最小限のアドバイスで考えを促し導く風間。隻眼になった出来事も解明する。重症を負っても風間節は全開。根っからの警官魂におそれいる。
2018/03/20
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