てらこや青義堂 師匠、走る
てらこや青義堂 師匠、走る / 感想・レビュー
しんごろ
ドリフのコントかよ!という面白さあり、江戸なのに学園ドラマ的要素あり、もちろん闘いも面白い。そして、十蔵と寺子達のやりとりと寺子屋で築いた絆が物語を重厚にしてくれましたね。登場する漢達もかっこい更にいつも思うのですが、今村翔吾作品に登場する女性はいつも素敵です。そして得意のほんの一瞬の友情出演、またありましたね。人を想い、人のために生きなきゃですね。エンタメ感たっぷりの文句無しの面白さでした。
2019/05/01
いつでも母さん
いや~今頃ですが、面白かったです。寺子屋に生きる元公儀隠密・十蔵が何とも愛おしい。支える妻・睦月との再会や筆子の四人との関わり方もワクワクする。とにかく活き活きと人物が勝手に動き回るのが好い。後半の死闘も切なくて・・熱くなる。今回も今村さんに楽しませていただきました。完成した『隠密往来』最後の頁に綴る忍びの思いは、今を生きる私たちにも通じるだと思う。
2019/07/04
海猫
元公儀隠密の寺子屋の師匠が、教え子のトラブルにあちこち奔走する。そうこうしているうちに忍びの命を掛けた闘いに突入したり、主人公の過去が語られたり、とにかくエピソードが豊富。今で言う学園ドラマ風でもあり、人情あり、凄絶な忍びバトルありで、これまでの著者の作品群の中でも、特にバラエティーに富んでいる。後半、子供たちがそれぞれの特技や性格を生かして、師匠を救おうとするくだりは児童文学的な痛快さ。ページ数以上に中身が面白い。今村氏の次作は羽州ぼろ鳶組新作なのでこれもまた楽しみ。
2019/03/05
しんたろー
元公儀隠密で寺子屋師匠・十蔵を主人公にした物語は、筆子(生徒)たちの問題を人情&忍術で解決する連作形式で進むが、次第に陰謀へ立ち向かう話になるので、笑ったり、ハラハラしたりして楽しめた。今村さんらしい上手に色分けされた人物たちの誰もが好感を持てて感情移入できるので、サスペンスorアクションシーンが盛り上がる。筆子たちの健気さや友情が可愛く、忍犬・時丸の活躍も犬好きには嬉しい。敵役たちも単なるワルではなく、哀しい事情を背負わせているのも巧みだし、十蔵の元妻・睦月は『ぼろ鳶』の深雪と双璧の素敵な女性で満足💛
2019/11/18
青乃108号
「イクサガミ」に負けず劣らず、エンタメに徹した物語で非常に面白く読んだ。忍びを引退して寺子屋を開き、子供達に人の道を説く師匠と、弟子の子供たちの物語。引退したとは言え、元は凄腕の忍びの師匠の事、大きな陰謀に忍びの者が大挙駆り出される中、いつしか師匠も弟子もろとも巻き込まれ。囚われの身となった師匠の窮地を知り、力を合わせて救出に向かう弟子の子供達の胸アツの展開。そこから始まる忍び同士の忍術合戦。クライマックスは流石の筆捌きだ。師匠と弟子の絆はより深まって。物語は爽やかに結末を迎える。今村翔吾は本当に面白い。
2024/11/22
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