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きみはだれかのどうでもいい人

きみはだれかのどうでもいい人

きみはだれかのどうでもいい人

作家
伊藤朱里
出版社
小学館
発売日
2019-09-18
ISBN
9784093865517
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きみはだれかのどうでもいい人 / 感想・レビュー

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ウッディ

県税事務所に勤める4人の女性、公務員試験をトップ成績で合格した野心家の中沢環、心を病んで部署を異動した染河裕未、今はパート職員として働き、環や裕未と同世代の娘を持つ田邊陽子、結婚もせず職歴を重ね、お局のような立場の堀主任。自分に自信がなく、注意されるとオドオドしてしまう須藤に対する苛立ち、同情、諦めなど4人の色々な感情がぶつかります。閉鎖的な人間関係の中で、要領の悪い人に暴力的な言葉を投げつけてしまう人間の闇があることはわかっていても、目を背けたくなる。初読み作家でしたが、ドヨーンとした読後感でした。

2020/01/28

ゆのん

出版社から頂いたプルーフにて読了。県税事務所の納税課で働く年齢も立場も異なる5人の女性達。あるある、いるいると楽しく読める部分と思い当たる嫌な状況やフレーズがあったりして落ち着かない気分にも…。女性ならではの働く大変さがストレートに描かれている。女ってつくづく大変で厄介な生き物だなぁと溜息混じりに読了。

2019/09/19

おしゃべりメガネ

太宰治賞受賞作家さんのなんともシリアスな作品です。働く女性の社会におけるパワハラの話です。とにかく読んでいてツラかったです。とあるアルバイトを巡り、関わる女性社員たちから語られるそれぞれの話がなかなかへヴィでした。単純にキレイごとだけでは決してすまされない働く女性における'ルール'をかなり責め込んで書いています。年代や立場がそれぞれに違えど、皆自分なりのエゴを持ち合わせており、誰が正解というのでもないのかなと。女性ならではのドロドロした人間関係をこれ以上ないくらい、おそらくリアルに書いているんだろうなと。

2020/03/22

R

税金滞納する人から回収を行う役所の物語なんだが、描かれるのはそういう職場にいる女性たちの人間関係でした。読んでいて、とてつもなく疲れた、重くてしんどい、やるせないと嘆息見舞ってしまう感じで、様々な立場の女性たちが、ひとつの事件についてどう関わったか、オムニバスで一人称語りをさせるようなものだった。誰に感情移入をというのではなく、誰もが背景に何かを抱えていて、それが現在と過去とごたまぜになって、ただしんどい、そういう連綿としたものをじっと見つめているような、煉獄を描いていたように思う。

2020/02/12

mint☆

職場の苦しい人間関係の話と言うのは簡単だけど、立場が違えば考え方も違うし、誰が悪いとかそういう話でもない気がする。自分は繊細ではないので繊細な方の心情に共感するのは難しかった。さらに理解に苦しむ部分もあり確認したい気もするけれど、もう一度読み返すような元気もなくなってしまうくらい何かを吸い取られてしまった気分。

2022/03/20

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