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今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は

今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は

今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は

作家
福徳秀介
出版社
小学館
発売日
2020-11-11
ISBN
9784093865753
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今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は / 感想・レビュー

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いこ

集団で過ごす事を好まない大学生二人の、一風変わった出会いを描く。徹は、キャンパスで人目を避けるため、日傘をさして歩く。花は「大きなお団子ヘア」で鎧って校内を闊歩する。こんな二人には不思議な縁があった。別の家庭に育ちながら「同じ言葉」を大切にしていたのだ。それが既成の言葉でない所がよい。徹は祖母から、花は父から教わった言葉。それぞれ素敵な言葉が満載である。一方、徹のバイト仲間のさっちゃんの健気さ・切なさは、全読者の心をえぐるであろう。そのさっちゃんの五頁に渡る独白文こそ、この作家の真骨頂であると思う。必読!

2022/05/07

Ikutan

ジャルジャル福徳君のデビュー小説。読友さんの感想に惹かれて読んでみました。ひとりしか友だちがいない小西は、学内を歩く時は、ぼっちをカモフラージュするため日傘をさす。ある日、同じぼっちながら、堂々と歩くお団子ヘアの桜田さんを見つけ、突如、彼のキャンパスライフが輝き出す。自意識過剰な小西の心の動きが、何ともリアル。ふたりの会話に出てくるおばあちゃんやお父さんの言葉が素敵ですね。バイト先のさっちゃんの長ーい台詞には圧倒されたなぁ。そして、その台詞が最後に生きてくる構成はお見事ですね。テンポよく読めて面白かった。

2022/05/23

♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤

読み友さん超オススメ本。本書は、ジャルジャルの福徳さんの小説デビュー作。前半、みんなの視線を遮るために盾として日傘をさしている不器用な主人公の小西は、たった1人の友達山根くんとひっそりと大学生活を送りながら、大きなお団子頭の桜田さんに胸キュンキュン。その前半の青い空がずっと続くとおもいきや、後半は急展開で曇や雨模様。切ない気持ちになる。随所に小西のおばあちゃんや桜田さんのおとうさんの名言が散りばめられていて心に突き刺さる。読後は、不思議と爽快な気分になれる1冊。

2022/01/11

10$の恋

ジャルジャル福徳さんの初小説。彼の感性に圧倒され、ビックリするほど「言葉の力」に感動した。 関西大学に通う小西は、いつも日傘を差すチョイ変なヤツ。ある日学食で「一人ざる蕎麦女」にグッとくる。さて、無味で孤独な大学生活が変化し出したぞ。だが順調な恋の接近が急転直下…。彼らの吐く言葉はどれも新鮮で素直でダイレクトだ。堪らなく優しい表現の波動が私の心を抱きしめる。飾らない本音にクスッと笑いつつ涙ジンワリの私。ラストは胸に刺さる不条理…からの希望に。今日の空_、私も「今日の空が一番好き!」と思って生きて行きたい。

2021/12/10

はにこ

きっと色々な意見があると思うけど、とても良い作品だったと思う。大学生特有の大人になりきれていない感、自分だけが分かっているこだわりがあってそれを捨てきれないめんどくさい感。大学生活に憧れたけど実際とは違っていたと思う感情。どれもリアルでありながら無駄の無い洗練された文章。登場人物が父親や祖母が言っていた言葉を大切にしていることもとても好感が持てた。福徳くんにはまた是非小説を描いてもらいたい。

2021/04/25

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