臨床の砦
臨床の砦 / 感想・レビュー
starbro
夏川 草介は、ほとんどの作品を読んでいる作家です。本書は、リアルコロナ医療ドキュメント小説でした。ノンフィクションに近い状態、かなりリアルな内容だとは思いますが、小説としては力が入り過ぎの感じでした。 https://www.shogakukan.co.jp/books/09386611
2021/06/04
きみたけ
著者は「神様のカルテ」で一躍名を馳せた、医師で小説家の夏川草介氏。現役医師としてコロナ禍の最前線に立った著者が自らの経験をもとにして綴ったドキュメント小説。現役の医師が表現する医療現場の状況がとてもリアルで、報道されている医療現場の逼迫状況が目に浮かびました。自身を振り返り、今のところコロナの影響を回避出来ていますが、もし家族の誰かがコロナに感染し死んでしまったらと思うといたたまれません。早く安心して過ごせる世の中になって欲しいと願うばかりです。
2022/02/19
青乃108号
コロナ感染拡大の第三波を、身を挺して凌ぎきったコロナ診療指定病院の医師並びに看護師達の物語。当初6床のはずがあっと言う間に36床に。クラスターの起きた施設入所の認知症高齢者の受け入れ、そして院内感染、家族にも及ぶ誹謗中傷。私は医療関係者ではなく、知的障害者のグループホームで働いており、施設内クラスターが発生した時には防護服姿でなんとか感染を広げまいと頑張ったが、その時のストレスたるや筆舌に尽くしがたいものがあった。本書に書かれた物語はフィクションであろうが、そのテーマは間違いなく真実を伝えている。
2022/11/23
kou
この本を読んでいる期間に、丁度、作者がニュース番組でインタビューを受けており、この本が、ほぼ作者のドキュメンタリーである事を知った。今、コロナと戦っている医療者、その関係者には頭が下がる想いになる。こうやって見えない所で奮闘してくれている人がいるおかげで、自身の生活が守られていると感じる。忘れられない一冊になった。
2021/09/11
ムーミン
コロナ禍の苦しい中、自分事としてこのピンチに向き合おうとする人々と、他人事のような言動を取る人が見えてしまい、現代の社会の危うさ、もろさのようなものを感じていました。ただ、この作品を読みながら、自分自身が医療に携わる人たちを、「医療関係者」というひとくくりで見ていたことに気づきました。医療に携わる人も、一人一人がそれぞれの信念に基づいて判断、行動しているという当たり前のことに気づかされました。
2021/10/23
感想・レビューをもっと見る