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アルテミスの涙

アルテミスの涙

アルテミスの涙

作家
下村敦史
出版社
小学館
発売日
2021-09-17
ISBN
9784093866224
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アルテミスの涙 / 感想・レビュー

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starbro

下村 敦史は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 愛は瞬間的な幻想のような気もしますが、アルテミスのような純愛ミステリでした。 https://www.shogakukan.co.jp/books/09386622

2021/10/28

旅するランナー

閉じ込め症候群の女性患者がレイプにより妊娠する事件から始まる、予想外の展開。愛、命、情。読者に何が正しいのかを突き付ける深さを持つ、シチュエーション小説。「潜水服は蝶の夢を見る」の引用も納得の佳作。”あ“ ”い“ ”は“ ”だ“ ”れ“ ”に“ ”も“ ”ひ“ ”き“ ”さ“ ”か“ “れ” “な” “い”

2021/11/03

パトラッシュ

医師による患者への暴行とみられていた事件が、実は心中を図った男との愛を貫くための覚悟の行動だったとは。ギリシア神話のアルテミスは気の強さで知られる女神だが、まぶたの動きでしか意思を伝えられない体になってしまったらアルテミスでも死を望むだろう。そんな状態の女性が妊娠を果たすには、自分を支配する両親に対する反抗の意志と生きた証を残したい執念がなければ無理だ。その強い心のありようが美しいと感じるか、あるいは怖いと感じるかで評価が分かれるのでは。また男女どちらかが健常であったら、物語はどう変わったか想像が難しい。

2022/01/18

しんたろー

事故により「閉じ込め症候群」となり、意識はあるのに体を動かせず会話も出来ない愛華が、入院後に妊娠した事が発覚して、担当医の高森が被疑者として逮捕。産婦人科医・水瀬を主人公に不可解な事件が明らかになってゆく…サクサクと読める面白さはあるが、設定を維持するための無理やり感もある。愛華の両親が毒親として描かれていて、それが事件の根源であるにしても「典型的」過ぎるのが苦しく感じるのだろう。親なりの苦悩があれば、共感しないまでも納得できたと思う。とは言え、命や愛の尊さを「熱~く問う」下村節は健在なのは嬉しく思えた。

2021/11/12

nobby

「これは愛です」あまりに滑稽で理解の範疇を越える事態から、その一言に伏せられた真実に導く仕掛けは秀逸。〈閉じ込め症候群〉により意識あれど四肢も動かせず発語も叶わない入院患者の妊娠…いつもながら我々の通念や倫理を揺さぶる重苦しい雰囲気のままに、犯罪を追いつつ向けられる答えなき問いに感じるのは憂いか偏見か…ありえない設定ながら、どうにか彼女の“意思”を汲み取ろうとする熱意に絞った展開は分かりやすい。最後には身近と捉えられる障がい者の抱える問題にまで落とし込むのも上手い。そこにあるのは命、そして間違いなく愛だ…

2021/11/03

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