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絞め殺しの樹

絞め殺しの樹

絞め殺しの樹

作家
河崎秋子
出版社
小学館
発売日
2021-12-01
ISBN
9784093866262
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絞め殺しの樹 / 感想・レビュー

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starbro

第167回直木賞候補作ということで読みました。漸く5/5、コンプリートです。河崎 秋子、初読です。先入観なしで読んだので、タイトルからホラーかミステリだと思ったのですが、根室の地の母息子の凄まじい半生記、骨太の感動作でした。 昭和の小説で新しさがなかったので、直木賞受賞に至らなかったのでしょか❓ https://shosetsu-maru.com/interviews/authors/quilala_pickup/160

2022/07/28

青乃108号

物語は戦前の北海道で始まる。産みの親も知らず農家に身売りされ牛馬の如くこき使われる不憫な少女、ミサエ。彼女のあまりに過酷な運命がこれでもかと冷徹に描かれ、それでも時に希望の光が見えたりするものだから先が気になってやめられない。何とか幸せになって欲しい。ふと気付く。本の終盤あたりにあるのだ、黒いページが。流れから考えてそこで本編は終わり、別な中編小説が始まるのだろうと思った。決して幸福な結末とは言えないが、ミサエの力強い決意で物語は終わる。感動。完璧な着地。しかし黒いページに書かれていたのは「第2部」要らん

2024/07/24

まちゃ

読み応え満点。題名からサスペンスかと想像しましたが全く違ってました。第一部、アンハッピーな「おしん」。橋宮ミサエの過酷な境遇に読むことが辛くなりました。第二部、勝手なイメージで「青春の門 自立篇」。吉岡雄介が自分の出自(ルーツ)を知ったうえで根室に根を張る決意をする。後半は読む手が止まりませんでした。/【印象的なフレーズ(意訳)】すごく優しくて強い人ほど他の人によりかかられ、重荷を背負わされ、泣くことも歩みを止めることもできなくなる

2022/09/20

美紀ちゃん

母ミサエの話と息子の雄介の話と2部構成。朝ドラっぽい話。ドラマ化しそう。300ページあたりからが面白くてそこから一気読み。雄介の祖父の葬儀で、実母や実姉の情報が多く入ってきて色々考えるあたりから面白い。菩提樹の別名がシメコロシノキ。雄介は冷静で判断力があり良い青年。あんな家で育ったのに。好感度高め。応援したくなる。表紙をよく見ると白い猫が。息子を見守りたい母の生まれ変わりと思った。小山田にハッキリと言い返すところとか、育てのお母さんに家を出ることを勧めるところは感動。いい息子。光さす終わり方でスッキリ。

2022/07/10

いつでも母さん

はぁ、河﨑さんは又なんて物を読ませるのか。第一部の橋宮ミサエの一生を思うと、女として憤りや哀しさ、虚しさで溢れ、母としてこみ上げる怒りと涙で苦しい。ミサエに何度も「逃げなさい」と思いながら読み進めた。地縁、血縁、貧困、根室と言う空の低い感じに、閉鎖的な社会や世間の視線が痛い。第二部はミサエの手放した息子・雄介の話。現実を生きながら明らかになる実母・ミサエの事や、小学生の時にいじめで自死した姉の事が根底について回る。因縁の男に「俺は、あんたにちゃんと嫌われてやるから」と放った言葉が胸をすく。

2021/12/27

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