カンヴァスの恋人たち
カンヴァスの恋人たち / 感想・レビュー
旅するランナー
常若。命の巡りを感じる絵画。それを産み出す女性アーティスト。彼女をサポートする女性キュレーター。支えながらも実は支えられる。女性目線の悩みや苦しみがしっかり描かれる、お仕事小説。人生の幸福とは何かを考えさせられます。
2023/12/13
starbro
王様のブランチのBOOKコーナーにて紹介されたので、読みました。一色 さゆり、3作目です。原田 マハの作品とは少し毛色の違うアート小説、女性たちの悲哀が感じられる一品でした。 https://www.shogakukan.co.jp/books/09386670
2023/07/16
ヒデミン@もも
学芸員である非常勤の主人公の悩みは共感できることが多かった。男女格差はどの世界にもあるし、特にこの日本ではまだまだ先進国の仲間入りはできていない。しかし、主人公の曖昧模糊な態度、自分がいつも正しいと思う様にイライラし通し。それが、一色さんの狙いでもあったかも。準主役の人たちも多様性にとんでいて考えさせられることしきり。
2023/09/24
シフォン
白石美術館は、同市の山奥で制作を続けている戦後の女性画家として名を挙げられるヨシダカヲルの個展を開催することになった。担当になった史絵は、ヨシダカヲルの人柄と作品に惹かれていくが、過去の出来事があるらしい。地方美術館の事情、学芸員の正規採用は狭き門であること、女性の仕事、結婚、出産、育児、選択の難しさ、学校に馴染めない子供、ミレーの絵が人々に与える影響等、盛りだくさんの内容になっていた。展覧会の準備の様子は伝わってくるがヨシダカヲルの絵がイメージしきれなかったのは私の頭が堅いからかな。
2023/11/29
よっち
碧波市の美術館に勤める学芸員の貴山史絵。キャリアや今後の人生に悩む彼女が、80歳の女性画家ヨシダカヲルの展覧会を担当することになり、彼女の人生や生き方に触れてゆく物語。調べてゆく過程で判明する、一線を退いたあと山奥のアトリエで絵を書き続けたヨシダの空白の10年間。一体そこで何があったのか。東京で働く恋人との将来や自身の体調、職場の人間関係、学芸員のキャリアに悩み、岐路に立たされていると感じた史絵が理不尽に憤るのも仕方ない状況でしたけど、向き合ってしっかり話し合うのは大事なんですね。言わなければ伝わらない。
2023/05/30
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