ゴードン・スミスのニッポン仰天日記
ゴードン・スミスのニッポン仰天日記 / 感想・レビュー
ホークス
大きく重い本。英国の富豪スミス氏による明治後期の日本日記(抄)。特にモラリストではない当時の40男らしく差別的発言もあるが、外道ではなく好奇心に溢れている。スズムシ売りに魅了されて屋台ごと買ったり、妖怪の話や根付細工に熱中したりして、結局は日本が気に入ってしまう。多数の絵葉書や写真の他、日本の絵描きに描かせた彩色画も楽しい。出版に尽力した荒俣宏氏に感謝。欧米の日本人観は「清潔で趣味が良い。但し独創性は欠如」で古今共通する。概ね同感。私は空気が苦手なので、空気より自分がどうしたいか考える人が増えて欲しい。
2023/02/13
shamrock
明治期に日本に滞在したイギリス紳士の日記。日記なだけに、その時々の感情を結構明け透けに書いてあるのが共感できた。深夜になっても酒のんで騒いでるやつらに呪いの言葉を吐く(伝えはしない)ところなど自分のようだ。博物史上の彼の業績をしりたいところだ
2018/10/08
Toska
日露戦争の前後、複数回にわたり日本で長期滞在したイギリス人の日記。恐ろしく好奇心旺盛な御仁で、海女の集落を訪れたり火葬場を見学したり。大英博物館に頼まれ、博物学的な標本収集にも勤しんでいる。彼の目に映ったのは勿論エキゾチック・ジャパンであったのだろうが、何しろ1世紀以上前の話だから、現代の我々から見ても充分に面白い。多数の挿絵や切り絵・写真が添付されており、これまた資料的価値に富む。どこで手に入れたのかさらし首の写真まで。
2024/05/03
Hiroki Nishizumi
とても興味深いと思う一方で、なんとも羨ましい生活を送ることができたものだ、と感じる。
2019/11/07
志村真幸
ゴードン・スミスはイギリスの博物学者、狩猟家。明治期に長く日本に滞在し、生物標本・文物を収集したことで知られる。 本書は、ゴードン・スミスの日記から日本に関する部分を抜粋した邦訳。大英博物館へ送るための魚、哺乳類、鳥類などを集めており、網を仕掛けたり、銃猟に精を出したりと忙しい。 彼の日記の特徴は、雇った日本人絵師に描かせた絵がたくさん入り、写真も多数が貼りこまれ、そのほかの紙ものもいろいろ貼付されているところ。色鮮やかに明治の日本を伝えてくれる。 博物学好きなら一読の必要がある。
2022/02/04
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