香港頭上観察
香港頭上観察 / 感想・レビュー
まーくん
1997年刊。写真は前年秋。中国返還の直前。四半世紀前の香港の姿。当初約束された一国二制度の建前もチャラにされ、共産党にガッチリ管理されて、最近は生き生きした香港の姿が伝わってこない。著者赤瀬川源平さんは路上観察学会のメンバーで景観とはいえないようなものを独自の視点から見ている。香港といえば違法スレスレ(あるいは違法な)のゴチャゴチャした建物と看板群!しかし著者曰く、以前と比べると、ヒョロヒョロ長くポッキリ折れそうな高層ビルが存在感を増していると。赤瀬川さんのぶっ飛んだ評論を期待したのだが…ちと残念。⇒
2023/10/02
Romi@いつも心に太陽を!
香港熱に浮かされて第二弾。赤瀬川さんのセンスが面白い。一枚一枚にコメントが添えられていてクスリと笑ってしまいます。にょきにょきと競うように天高く伸びたタケノコビル。どこまで育つのか。在りし日の九龍城砦を彷彿とさせる増築に次ぐ増築のヘンテコマンション。どどーんと突き出した看板がいつ頭上からその鉄槌を奮うのか、スリリングな街並みは続く。乱雑に並ぶ鳥かご、剥き出しのまま置かれた蜂の巣(!)露天のようにビニール袋を泳ぐ金魚たちの鮮やかな赤。すべてが香港の強烈なイメージと直結してワクワクする。
2011/05/22
sweet november
1997年の写真集なので、今とは全然様子は変わっているかもしれないけれど、私が記憶している香港がそこにあった。 何かが秩序だってあるようにはみえないのだけれど、その混沌とした中に秩序があるのかも。
2021/04/24
Lighthouse Keeper
重力や力学の法則など無視するかのように、上へ上へ、横へ横へと無秩序に増殖する、ビルやアンテナや竹製の足場物干竿は、無機的な人工物というよりも、未知の巨大生物のような趣き。それはある意味、返還前当時の香港の街の勢いを写しているよう。久しぶりに手にした赤瀬川作品、写真やそれに添えられたタイトルやキャプションの切り口の冴えはいつも通りで期待を裏切らない。
2018/12/17
イワシ
異常に集積された建築物が独特のテクスチャを生み出す香港の表現型も楽しいけど、道端の、ぽつりと佇むようにある空間も興味深い。安っぽくも目を引かれる原色は、メキシコを連想したり。
2013/11/02
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