マンガ世界戦略: カモネギ化するかマンガ産業
マンガ世界戦略: カモネギ化するかマンガ産業 / 感想・レビュー
佐島楓
2001年に出版された本だが、優れた比較文化論・出版経済論だと思う。もうこの頃から出版不況は常態化しており、日本マンガのガラパゴス化も指摘されているなど、構造的な問題についての意見が的を射ている。マンガは確かに日本が誇る文化だが、作中で指摘されているように、すでに世界中に優れたマンガを描くクリエーターが存在していることも忘れてはいけないだろう。
2017/03/10
ゲオルギオ・ハーン
2001年発行。著者が香港、フランス、アメリカなどで日本の漫画について講演した反応、現地の漫画文化、流通システムを取材して日本との対比を冷静に分析した一冊。当時のアジアの漫画制作はアメリカのような分業体制かつ漫画家とも雇用関係にあるという点など面白いポイントが数多くある。一方で、業界関係者でもある著者だからこそ日本の出版業界に対する不満点(閉鎖性や権利関係のルーズさ)も鋭く指摘している。また、海外の制作方式を見たからこそ日本の編集者の特殊性と優れている点を発見・指摘している点も興味深い。
2023/01/01
冬至楼均
タイトル通り、全体的にまとまりの無い文章の集合体(良い意味で)。それだけに、読むたびに(その時の興味の方向で)印象が変わる。
2013/10/27
たろーたん
背景がリアルなのに人物が漫画チックな釣りバカ日誌に驚くアメリカ人。絵を大人が利用することが当たり前でないためATMにマンガの女性が現れ驚くドイツ人。酔っ払った大人が出てくるのは教育上よろしくないとして、レモネードで酔う日本の漫画キャラたちを見て当然と思っていたフランス人(ちなみにそのマンガはめぞん一刻)。フランスではさらに3Pとかアナルセックスは堂々と描かれるけどロリコンはダメみたい。シャレにならない幼児誘拐や性的虐待があるから。我々からみたら当然と思うマンガ文化も、他国から見れば変なのよね。
2021/11/11
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