手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ): 穂村弘歌集
手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ): 穂村弘歌集 / 感想・レビュー
ヴェネツィア
エッセイストかと誤解されかねない穂村弘だが、「これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき」な歌集。部分的に引用したのは、歌集の冒頭に掲げられた歌。すなわち、歌人自身がここで「ほんかくてき」な歌集であることをマニフェストしているのである。タイトルからは連作歌集、もしくは物語的な流れを持ったものかと想像したのだが、必ずしもそうではない。冒頭歌のように、穂村らしい歌もあるが、かなり様々なスタイルの歌が収められている。私のベストは「整形前夜ノーマ・ジーンが泣きながら兎の尻に挿すアスピリン」。塚本邦雄を思わせる歌だ。
2015/06/09
masa@レビューお休み中
あとがきで、これが大好きという人と、これだけは理解できない人に分かれると書いてあった。そして僕は考えてしまった。はたして、僕はどっちに分類されるのかと…。嫌いではない、でも大好きというわけでもない。でもでも、今までのほむほむの中で抜群の爆発力を持つ作品だとは感じた。これがまた、最近短歌なんかを詠みはじめたものだから、けちょんけちょんに凹んでしまったのだ。あまりにも飛び抜けていて、理解の範疇を超えていて、芸術が爆発したようにキラキラ輝いていて…。読めば読むほど、短歌というものがなんなのかわからなくなるのだ。
2014/03/27
❁かな❁
お気に入りのほむほむ本を読むのは9作目!こちらは歌集!手紙魔のまみからのお手紙♪タカノ綾さんの絵がイメージにぴったりです☆ほむほむのあとがきを読み、そうなんだぁとわかります!ほむほむの感覚ってやっぱりスゴイ★『ボーリングの最高得点云いあって驚きあってねむりにおちる』『時間望遠鏡を覗けば抱きあって目を閉じているふたりがみえる』『星の夜ふたり毛布にくるまって近づいてくるピザの湯気を想う』『こんなにもふたりで空を見上げてる 生きてることがおいのりになる』『甘酒に雪とけてゆく なぜ笑ってるか何度も訊かれる夜に』
2014/02/22
♪みどりpiyopiyo♪
目覚めたら息まっしろで、これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき ■大好き。ほむほむの元に届いたまみからの手紙を数えてみたら、全部で591通ありました。鬼才穂村弘の歌集です。まみは私。まみはあなた。■「十二階かんむり売り場でございます」月のあかりの屋上に出る ■この子、すごく知ってるのです。ほわほわとして鮮やかで、ロマンチックで夢見がち。分からない所も沢山あるし、実際の行動などは決して似ては居ないのだけど、自分の中にも確かに住んでる、まみは私。■夢の中では、光ることと喋ることはおなじこと。お会いしましょう
2017/03/05
臨床心理士 いるかくん
伝統的かつ定型的な短歌を用い、特有の言語感覚でさりげない日常を魔術のように非日常的な空間にしてしまう、著者の短歌集。ほとばしるように縦横無尽に駆け巡る言葉に思わず頭がクラクラする。お薦め。
2014/09/07
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