夢の裂け目
夢の裂け目 / 感想・レビュー
Aya Murakami
たしか朝日新聞の朝刊で存在を知った作品です。図書館で借りてきました。 舞台は戦後直後の日本で紙芝居と戦犯の処刑がテーマの作品でした。前回読んだ藪原検校のラストと処刑される戦犯さんが重なるような…、そんな感じでした。いつの世も真の黒幕は逃げおおせるものなのですね。 井上流言葉遊びも絶好調でした。天皇陛下の朕と犬のチンチンをかける言葉遊びは思わず吹き出しました。 それにしても作中の芋飴食べたい。よだれが…。
2018/07/06
てら
はじめに上演時の写真が掲載されていたことから、角野卓造さんはじめどのように台詞を話しているのか想像しながら楽しく読むことができました。ただの紙芝居だと思っていたら政治に関わっているではありませんか。内容が内容だけに遠い昔の作品かと思いきゃ上演されたのは2001年。日本語の名手、井上ひさしが書く紙芝居屋の口上も良かった。本物は見たことがないが、昭和の紙芝居屋の雰囲気が伝わってきた。
2023/12/27
purintabetainoo
"戦後の東京裁判の真相"を軸にして、井上ひさし流の面白く寂しく暖かい物語だった。 日常生活の幸せを歌う挿入歌(?)が特に素敵でした。 この物語では丸く収まっていたけれど、ミドリさんの取った女心の健気さが滲み出る行動に共感(学歴や立派なところは全く違いますが)するとともに、とかく損をしがちなその一途さに心配してしまった。でも、それが女の儚さを醸し出してかわいく見えるのかなと、もどかしい気持ちにもなりました。
2019/01/18
Takao
東京裁判三部作の一冊。2001年5月に新国立劇場小劇場「THE PIT」で上演された戯曲。「知ってるつもり」の東京裁判だけど、改めて勉強してみようかな、という気持ちになった。
2014/10/25
Makoto
聴きたい、、、井上戯曲を読むといつもこれだ。脚本家であり、作家であり、詩人である偉大作家。歌だけは本からは聞こえない。ただ、庶民的な、人情に憂えて、やや足下の先を見据えるように歌っているのであろうと染みわたるように歌詞を聞こえたように読む。昭和よ、待っちょれ。
2016/06/28
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