鳴弦の月 (封殺鬼選集 2)
鳴弦の月 (封殺鬼選集 2) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
聖が鬼になったきっかけや仲間と違うことにうすうす、気づきながら否定していらだつ姿に彼の孤独を思い、また、自分の立場のための人々から疎外される孤独な陰陽師のことも思いを馳せ、切なくなりました。日本史で出てきた人々の名前や事件も絡んでいて読んでいて楽しかったです。最後の物語は「妖怪は神経が見せたまやかし」という考えが流布していた明治時代でひっそりと、しかし、人知れず、活発に活躍している妖怪たちの姿に和みました。
2010/03/16
海星梨
平安前期から後期、とんで明治の世。最後の小編が好きです。明治四年まで、とありますが暦の編纂などで土御門家は公職があったんですよね……土御門家強いですね……。史実を踏まえてそのなかで鬼二人が生きていく様を描き出すこのシリーズ素晴らしいです。
2019/01/12
marutin
再読。平安時代前期・後期、そして明治時代と、それぞれの時代の雰囲気を感じられてレトロな気分に浸れた。人間と闇の世界との関わり方も、各々の時代によって変化している様子が興味深かった。平安時代、人間社会にはこんなふうに怨霊や呪詛、異形の存在が、当たり前のように私たちの傍らに存在していたのだろうか。文明開化後の明治時代、非科学的なことを否定して、闇の世界の住人を忘れさってしまった人間達の姿は、なんだか哀しく寂しいものがあった。でも、そんな人間達をしりめに、たくましく生きていく妖達の姿は頼もしかった。
2011/11/21
めぐみこ
年をとらなくなってしまった鬼同丸の焦燥、変えられない未来を見てしまう泰親の無力感、移りゆく時代への鬼二人の寂寥感…どれも切なくて胸にずしっときた。高尾一座は今もどこかで興行続けてるのだろうか。
2011/02/26
愁星
1000年ほど前の出来事を書くなら、”公卿クラス”とか”タイミング”とか”エスカレート”なんて表現は使わんといて欲しいわ。
2011/02/08
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