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小さな恋の万葉集

小さな恋の万葉集

小さな恋の万葉集

作家
上野 誠
佐藤秀明
出版社
小学館
発売日
2005-11-01
ISBN
9784093875943
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小さな恋の万葉集 / 感想・レビュー

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やすらぎ

ひとときも離れられない。目を閉じても浮かんでくる。恋しくなるとこうなるの。思いは深まるほどなぜか遠退いてしまう。語り尽くせば短い夜も今宵はいつまで続くのだろう。未だ朧月夜は空高く瞬いているというのに。今だけは言葉をかけて。秋風偲ぶ切なさに思い出す。抑えきれないこの気持ち。雨なんて降り続けばいいのに。この街の明かりの数だけ恋はある。でも目の前のたったひとつの恋を思い続けたい。どうせ忘れられないのだから。幾千歳の彼方へ今日も宵を待つ。ただ寄り添っていたいだけ。万葉集への扉を開いてくれる本。恋歌が聴こえてくる。

2022/11/27

masa@レビューお休み中

上野誠さんの和歌の超訳と佐藤秀明さんの京都・奈良の写真の組み合わせが想像を掻き立てる素敵なコラボです。特にここでは万葉恋歌だけを取り上げているので、当時の男女の会話の様子、恋の駆け引きやジンクスなんかもかいま見ることができます。今から1300年前の奈良時代の男女はどんな恋愛をしていたのか…。読んでいると、強烈と思うものから、今も昔も変わらないなと思う恋歌まであります。思ったのは、当時の恋愛って、大胆かつ野性的だなということ。万葉集の和歌はダイレクトに感情を伝えているものが多いなと感じましたね。

2014/06/05

モリー

「いかにして 忘るるものぞ 我妹子に 恋は増されど 忘らえなくに」作者未詳のこの歌を、上野誠さんは次のように意訳する。「それは、恋ー いったいぜんたい どうしたら忘れられるのか? あの子の存在がどんどん大きくなってゆく・・・ ああ! 忘れられないよぉ」そして、この歌には一枚の写真が添えられている。朱色の柱の前に立つ後ろ姿の若い女性の写真だ。千三百年の時を経て私に届いた恋歌が、四十ニ年前の私の記憶を呼び起こした。初めての忘れられない恋。僕の前の席で、赤いセーターを着ていた君のことを忘れられず↓コメントに続く

2022/10/10

瑪瑙(サードニックス)

先日読み友さんに、「私は恋とは遠いところにいます」と言ってしまったので、今ブームの万葉集でちょっと『恋』を味わってみることにしました。万葉の時代も現代も、人は恋によって苦しい思いをすることに変わりはないのですね。恋は甘美なものではあるけれども、とても苦しいものでもありますものね…。ただ、この本の特徴はその現代語訳です。思いっきりぶっ飛んでます(笑)

2019/04/07

Shoji

万葉恋歌の現代語訳。しかも超訳。 そもそも、文学なんてものは百人百様の解釈があるから面白いのだ。 しかも1300年前の色恋沙汰。そりゃあ、好きに解釈したほうが面白いに決まっている。 さて、著者の上野先生の講演や市民講座を何度か拝聴しました。 万葉歌人の心性や歌に歌われた情景を、現代人のそれと照らし合わせてみることにより、奈良時代の人々の生活を考証して行くわけです。 すると、何てことはない、1300年前も現代も男と女の色恋沙汰は同じですわ。意中の人をゲットするまでのプロセスは特に。だから歴史は面白い!

2016/03/12

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