ぼくたちが聖書について知りたかったこと
ぼくたちが聖書について知りたかったこと / 感想・レビュー
優希
「聖書について」と銘打っていますが、内容はかなり幅広いものになっています。聖書とは何であるかという点から紐解きがあるだけでなく、それ以前のユダヤの時代、イスラームやイスラエル事情まで知ることができるのが興味深いところでした。ある程度知識がないと読むのが辛いところもありますが、大まかな部分は、特に予備知識がなくても読めると思います。ただ、旧約聖書の方が重点的に語られている印象を受ける感はありました。対談形式なのが面白いですね。
2017/04/13
YúKa(ユーカ)@ハガレン読み終えました
古代ヘブライ語には時制がなく、これは過去・現在ともに並行線というヘブライ思想を表しているという事実には驚いた。一般的なエデンの園のイメージはギリシア思想の影響。聖書は元来矛盾を放置するスタイルだったが、キリスト教以降は「正典」と「偽典」が定められるようになった。ユダヤ人差別の要因は裏切り者ユダと民族名の偶然の一致。ヘブライ人は最初から一神教だったわけではなく、その国その土地の神々を祭っていたのを、ある時期でやめた。タメになる本だったけど、『聖書の土地と人びと』と比べると空気感は弱く思う。
2017/01/22
ネギっ子gen
河出の、あの文学全集を個人編集した池澤夏樹氏が鋭く問う、聖書とキリスト教の真実。フランスなどに居住しキリスト教文化を見つめてきた著者が、<すべての源泉は聖書だ>として、従兄弟である聖書学の泰斗・秋吉輝雄氏と語り尽くす。「原罪」とは何か? マリアは「おとめ」なのか「処女」なのか? などの素朴な疑問を鮮やかに解説する。「あとがき」で著者が記した、秋吉師からの聖句による助言。<「涙と共に蒔く人は、喜びの歌と共に刈り入れる」という、我が人生で何度となく役に立った詩篇126編の一句を教えてくれたのも彼だった>と。⇒
2021/03/03
月世界旅行したい
昔読んだ、恥ずかしながら内容については忘れてしまっている部分が多い。禁止するということは、つまりしていた人がいた、という部分がよく記憶に残っている。
2015/04/15
鷹図
知識の前提条件が高いところに設定されている為、この対談を読む前に読んでおかなければならない本は山ほどある。少なくとも『ふしぎなキリスト教』程度では話にならない感じ。二度目の読書となる今回もまた、碩学の門をくぐるに到らなかったわけだが、釣果がないわけではない。例えば旧訳・新訳に対する続編、外典の存在と位置付け。異説・矛盾、あるいは誤訳の変遷とその受容などがそれである。再三再四の読書に値する名著。
2011/09/09
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