少年の名はジルベール
少年の名はジルベール / 感想・レビュー
akihiko810/アカウント移行中
少女漫画家のレジェンドの一人・竹宮惠子の自叙伝。印象度A 以前読んだ『萩尾望都と竹宮惠子 大泉サロンの少女マンガ革命』が面白かったのと、萩尾望都がこの本のアンサーを書いた、ということで読みたかった本。大泉で萩尾らと共同生活し(大泉サロン)、少女漫画革命を起こそうとしていた少女たちの記録。 スランプの中、BL漫画の元祖である『風と木の詩』はどうしても描きたかったが編集部からの理解がまったくなく、それを連載会議に通すために『ファラオの墓』で読者1位を取るのが目標にした、とか面白い。
2021/07/06
R
物凄く面白かった。少女マンガ界について疎いので、知っていればより一層楽しめたと思えるのが残念なところですが、一人の作家が抱えた苦悩と苦しんだ日々、その自伝要素は感動を呼び起こすもので読み終えて感激しました。少女マンガの作家という生き方の凄さも伝わるけども、当時の情勢とそこに抗ったという一種の革命闘争的な思想と、心意気、志の高さみたいなものが格好良くて、強く印象に残りました。増山さんというプロデューサとの話ももっと読みたかったですが、映画の要素を徹底的に研究していく手法など読みどころたっぷりでした。
2017/03/20
まるる
竹宮恵子と言えば、萩尾望都と並ぶ少女漫画家二大巨匠ってイメージだったのに、こんなに悩み、傷つき、精神的に追い詰められながらマンガを描いていたなんて思わなかった。あまりに赤裸々に語られていて驚いた。大泉サロンは何となく知っていた程度だったけど、そこに集う面子の豪華さにクラクラする。ファンまで呼んでしまうなんて今では考えられない。「風と木の詩」を描くまでの道程がこんなに困難だったとは。エッセイと言うより熱い青春小説を読んだような読後感。ページ数は少ないけど読みごたえがありました。
2016/05/10
ヒロミ
夢中で読んだ。竹宮先生の若き葛藤の日々、萩尾望都先生への複雑な想い、漫画へかけた熱い志…。素晴らしかったです。竹宮先生ほどの才能でも萩尾先生にはこんなアンビバレンツな感情を抱いていたとは驚くばかりです。盟友・増山さんとの丁々発止のやり取りもおもしろい。これ、深夜ドラマ化したらいいと思いますよ。名作「風と木の詩」が生み出されるまでがこんなに難産だったとは!竹宮恵子は天才であると同時に努力と根性の人でもあったのだ。ラストのほうが駆け足気味なのでもう少し厚い本で読みたかった。すべての漫画・創作好きに捧げる名著。
2016/05/12
てら
10年ほど前に、壇上で語る竹宮惠子を拝見したことがある。非常にクレバーで明快な人だと感じた。しかし、どこか追い詰められた感じもわずかにあるように思えた。この本は『風と木の詩』に至るまでを綴った「魂の書」と言える。また「モーさま」がなぜ「モーさま」なのかも理解できる内容になっている。すべての漫画家と漫画ファン(と編集者)に読んでいただきたい。
2016/02/28
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