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音の糸

音の糸

音の糸

作家
堀江敏幸
出版社
小学館
発売日
2017-01-26
ISBN
9784093885256
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音の糸 / 感想・レビュー

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コットン

ふゆさんのおすすめ本でクラシック雑誌に掲載された50の短編作品で面白い。例えば『ラの音』:詩集『ラの音』を上梓し、生徒達の指揮もした先生の印象は合唱前の「ラの音を下さい」だった。村上春樹さんは「文章の書き方を音楽から学んだ」と言われているが、堀江さんも楽しみながら静かな音を探しだすかのような書き方。今回のような作品に限らず全ての作品についてアプローチの仕方が、そのように感じる。その場合、やっぱりクラシックが合うかも。

2018/08/07

抹茶モナカ

クラシック音楽についてのエッセイ。静ひつなタッチで、一つ一つの話が短いので、読書する時間がとれない時に良い。短い断章形式の中でも、著者の知識や学識が滲み出ていて、学者に憧れている自分としては、ボディーブローのようにびしびし来た。

2017/07/19

みそさざえ

著者の本の2冊目。こんなにもクラシック音楽に造詣の深い人だとわかったのは、うれしい驚き。引用されている音楽を聴きたくなる。吉田秀和のNHK放映のVTRも再視聴しなければ。

2018/02/10

しゅん

記憶と音楽の関係。音とことばの関係。繋がっているか繋がっていないか微妙なところで織られる韻(たとえば「サラサーテ」と「語り手」の「て」が呼応する)は、文の情景と意味を超えて読み手の琴線に触れる。学生時代の映画で聴いた音楽、吉田秀和と語った淀川長治。一つ一つのエピソードは淡く、しかしたしかに記憶に跡を残す。フィクションと現実の差が意味をなさないところに文字を置いていく著者の真骨頂とも言うべき、西洋近代音楽をゆらりと周遊するエッセイ。

2019/06/01

くみ

読友さんに紹介していただいた作家さん。音楽にまつわるエッセイです。その溢れるばかりの音楽への愛に音楽を体の一部のように感じられる人の体感覚はこんななんだと驚きうらやましく思いました。私は音楽に全く詳しくないのですが、分からない私でもその感性に触れさせてもらっていると、ゆったり豊かな気持ちになります。強烈な言葉を避けているだけに、最後の「音の糸とは音の意図、それは神の意図」の言葉がとても力強く感じました。本当に大切なものを守る時の強さ。

2018/05/27

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