音楽の肖像
音楽の肖像 / 感想・レビュー
クラムボン
堀内誠一が1980年代にヤマハのPR誌「ピアノの本」に連載したものを、2020年に谷川俊太郎の詩を添えて書籍にしたようだ。堀内は連載中に54歳で亡くなる。谷川とは「マザーグスのうた」などの共作で旧知の間柄、共にクラシック音楽ファンでもある。スナップ写真風に28の作曲家が描かれている。モーツアルトは華やかに、ショパンは淡い青の色調、ガーシュインは咥え煙草、そして表紙のサティは舞台の裏で瞑想か…。エッセイの方もパリ郊外に住んでいたので、頻繁に作曲家ゆかりの地を訪れており、エピソードと共に楽しめました。
2022/05/07
ゆか
ヤマハの楽器店やピアノ教室などで配られるPR誌「ピアノの本」に掲載されたエッセイに、谷川俊太郎の詩を加えた本。最初は「ピアノを絵の中を入れて欲しい」というリクエストのもと、しぶしぶ描いていた作曲家シリーズだったようですが、どんどん面白くなり11人目のドビュッシーからエッセイの連載が始まる(絵のみの作曲家がいた理由がわかった)ヨーロッパを旅していたり、フランスに住んでいたので、街の様子を背景にした絵もとても良い。知れば知るほど、堀内誠一が好きになる。(自分メモ 山形へ向かう車中で読了)
2022/10/07
aosora
旅先の素敵な喫茶店で出会った一冊。絵とエッセイを堀内誠一さん、詩を谷川俊太郎さん。堀内さんの音楽家のエッセイや絵に味があり。谷川俊太郎さんが音楽にまつわる詩をこんなに書いていたとは。深いですよね。日本語をこう、巧みに使いこなす方ってそういないと思う。じっくり味わいですなぁ。
2024/05/25
ヨハネス
絵とエッセイが堀内氏、詩が谷川氏。この構造がわからず無駄にイライラして、読後やっと、小さく書かれたそれを発見。エッセイは短くても聞いたことのないネタが豊富で大変読み応えがある。ハイドンの奥さんが音楽に関心なさすぎるとかモーツァルトは腎臓が弱かったとか。ラフマニノフの風貌って、モンゴル的かしらん。あたしの好きなブラームスについてエッセイがないのがとても残念だ。
2022/10/12
belle
堀内誠一が綺羅星のクラシックの音楽家たちを絵とエッセイで綴る。ヤマハのPR誌に連載されていたので、ヤマハ音楽教室に在籍していたら毎号楽しみだったかも。交流の深かった谷川俊太郎が詩を捧げて新しく一冊の本になった。昨秋、上野の博物館の帰りに駅ナカで見つけた。緑の中をベートーヴェンが歩き、シューベルトは赤に抱かれ、ショパンを青が包む。3つの色が特に印象に残った。音楽家のかたわらにはピアノが描かれ、それもとても嬉しい。加えてエッセイからは音楽と土地の匂いが伝わってくる。ときめきもあり、静けさもあり。
2021/01/15
感想・レビューをもっと見る