傘のさし方がわからない
傘のさし方がわからない / 感想・レビュー
ででんでん
奈美さん2冊目。やっぱりいいな。思い込みの呪いを解くには、「起きていること、やっていること、いっていることを、まっすぐ見つめるだけだ。それから好きになるも、きらいになるも、喜ぶも、怒るも、パインバーグのとりこになるのも自由だ。」清々しい。そして「相手に、優しさに見合うだけのお返しをしなくとも、ただその優しさを受け取ることに莫大な意味がある」という贈与の繰り返し理論やアンサング・ヒーロー(歌われざる英雄)について。これらは近内悠太さんという人の説らしいが、私も奈美さん同様目からウロコだった。オススメします。
2021/11/24
nyaoko
タイトル、傘のさしかたがわからない、これは病気によって車椅子になったお母さんの言葉。それまで出来ていた事が出来なくなった、自分でも分からない、そう言われてハッとした岸田さん同様に、私もハッとした。怪我や、病気で失った体の機能により、思わぬ事も出来なくなってしまう。もっと相手の事を見なきゃダメだし、サポートはどんな小さな事でも相手には大きな支えになる。ああ、色々考えさせられたなあ。次作も是非読みます。岸田さんのスーパーポジティブギャグマシーンな思考が大好きです。
2022/01/31
ネギっ子gen
ブログ「note」に書き綴った文章が基のエッセイ第2弾。前作では、<題名の通り、わたしはわたしの家族や、目の前で見たままの愛について書くことが多かった。だけど、物事を正面から見たままでは、気づけないこともある。側面や背面に、誰かの優しさや悲しさが隠れていて、それに気づけるかどうかで、目の前に広がる物語の姿形が変わる/コロナ禍という世界中がえらいことになっているときに手繰り寄せた幸運の一片を、あなたにお裾分けするのが使命だと思いこみ、なんとかかんとか書き連ねてきたのが今作だ>と。題名良し。今回も写真あり。⇒
2022/01/26
とよぽん
『もうあかんわ日記』の書評を新聞で読んで岸田奈美さんを知った。『傘のさし方がわからない』と両方予約したが、こちらの方が先に回ってきた。傘のさし方がわからないって、誰だろう・・・そう思いながら読み始めた。あぁ、そういうことかと、割と序盤で判明。それにしても、奈美さんはまだ若いのに(私の娘と年齢が近い)相当の苦難を乗り越えて今に至っている。バイタリティーのすごさに感動した。ボルボV40にこだわったのも亡きお父さんを慕ってのことで。そしてお母さんのパワーと愛情も素晴らしいと思った。この本を読んで元気をもらった。
2021/12/23
ぶんこ
時間にルーズだったり、だらしないのが苦手なので、近くにいたら親しくはならないと思う奈美さん。それはご家族の障がいとは全く関係のない部分。それでも弟さんやお母様をこれだけ愛せる、紙面で良い面を描けるのは素晴らしい。苦手な部分は置いといて、ただただ尊敬できます。でも、私にはお母様が奈美さんよりかは素晴らしいと思えるのです。車椅子生活での不便を嘆くのではなく、自力で克服する姿勢は見習いたい。とはいいつつ、グチりたくなることも多々あるでしょうに、母や弟を愛し、信頼している奈美さんはやっぱり素晴らしい。
2022/09/15
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