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六条御息所 源氏がたり 三、空の章

六条御息所 源氏がたり 三、空の章

六条御息所 源氏がたり 三、空の章

作家
林真理子
出版社
小学館
発売日
2012-09-27
ISBN
9784093933087
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六条御息所 源氏がたり 三、空の章 / 感想・レビュー

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優希

人生の絶頂を迎えた光源氏が転落の一途をたどる最終巻です。六条御息所の視点で描かれているのでどこまでも暗さが漂っていました。救いがなく、六条院の女性たちは誰ひとり幸せになれなかったのが哀愁を漂わせます。亡霊として彷徨う御息所の真実、紫の上と明石の君の劣等感など悲し過ぎました。一夫多妻が当たり前だった平安時代、当時の女性たちは幸せだったのかという疑問に対して答えている作品とも言えますね。全てを見届けて静かに地獄へ旅立つ御息所が唯一の救いでした。エゴ、怨念、愛憎に満ちていて読み応えがありました。

2015/03/22

ひめありす@灯れ松明の火

最後の最後まで好色で自分勝手な光る君もさる事ながら、右往左往している地上の人々を好き勝手こきおろしてちゃ、当代一の貴婦人も名折れですよーな六条さんの物語もこれにて完結。くんずほぐれつ世代交代後の宇治十帖をどうこきおろすのか楽しみだったのですが、そこまでは行かないのですね。夕顔母娘についてはすごく辛辣なのに花散里に対しては割と好意的だったり明石の親子については同情的だったりと、六条さんは最後の最後まで思うままに生きていました。最後に光る君を迎えに来てくれるのは、誰だろう。私は生母の桐壷さんかと思うのですが。

2013/06/08

shikashika555

3冊シリーズ最終巻読了。 六条御息所から見た現世の光源氏とその女たち、そして男たち。 根底に流れる男への恨みと、愛情とも執着ともつかない拭いがたいねっとりとした強い思念。 そして女たちへの同胞意識と、同情と嫉妬が混淆した輪郭の不鮮明な感情。 そんな思念のたゆたいとそこから時折吹き上がる情動を原動力とした「観察記」のようだった。

2024/03/07

ユウユウ

源氏の中年〜晩年を描く第3巻。源氏の最低ぶりが際立ちます。もう若くもないのになにやってんだと。あわせて『あさきゆめみし』と大塚ひかりの源氏物が読みたくなるな。

2019/02/09

ガーガー

今まで関係を持っていた女性の娘にも目を出そうとするなんて、なんて奴だと思っていたけど、その誘いを強い意志で跳ね除ける娘たちの姿を見て、いいぞいいぞと思っていたり。また、妻を寝取られるという自分が今までやっていたことをされていて、怒っている源氏を見ていやいやあなたもやっていたでしょと思ったり。

2017/12/19

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