日本の近代 猪瀬直樹著作集9 唱歌誕生 ふるさとを創った男 (第9巻) (日本の近代猪瀬直樹著作集 9)
日本の近代 猪瀬直樹著作集9 唱歌誕生 ふるさとを創った男 (第9巻) (日本の近代猪瀬直樹著作集 9) / 感想・レビュー
tamami
前回取り上げた『やまと言葉で…』の著者竹内さんと猪瀬さんは同じ高校の同窓・同学年という。本を読むことの楽しみの一つに、そんな奇縁とも言う事柄がひょこっと顔を覗かせては、その意外な広がりに気づかされることがある。本書は、猪瀬さんが自分の故郷でもある北信濃を唱った島崎藤村の「千曲川旅情の歌」にある「濁り酒」の背景を探るところからスタートする。物語は、藤村、高野辰之、井上武子等の信州に繋がりのある人々から、大谷光瑞、岡野貞一といった明治から昭和に掛けて我が国の文化・芸術活動を支えた人々の足跡にまで、説き及ぶ。→
2021/07/28
へくとぱすかる
「ふるさと」をはじめ、今も歌い継がれている唱歌のかなり多くを作詞した高野辰之、作曲の岡野貞一の生涯を中心に、大谷光瑞、島崎藤村の若かった時代が複雑にからんでいく。高野の姪にあたる人のロングインタビューが軸で、音楽関係の記述は少なめだが、清濁とりまぜての伝記が興味深い。この本が出たころは、まだ明治の人物を直接知る人が健在だった時代だったのか、と意外な思いがした。
2017/01/17
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