枯木灘,覇王の七日 (小学館文庫 R な- 2-1 中上健次選集 1)
枯木灘,覇王の七日 (小学館文庫 R な- 2-1 中上健次選集 1) / 感想・レビュー
shomma
もう4・5回も読みだして、今回はじめて読み通した。柄谷行人(解説)は中上健次で日本の近代文学は終わったという。この本を読むと散文というのは反復とずれがその特徴に関わるのではないかと(改めて)思う。序盤は4・5回も読んだので親族関係はかなり頭に入っていたが、それでも何度も親族関係表を見直しながら読んだ。死んだ郁男と秋幸の間の歳にこれを読むことになったので、なんだか自分がその間に挟まったような気持で読んだ。まあ別に、一つ歳をとったからといって秋幸のような人間になるわけではないだろうけれど。
2015/11/07
mstr_kk
再読。うっとりしました。ラスト近くまで何も起きないのに、ものすごい緊張感です。本当に神話のような、引き締まった大傑作です。
2014/08/16
hayaco
同じ描写を繰り返し「またこの話か」とか思ってるうちに、次第に大きくなっていた。噂話と同じ。面白いとは思うのだけどどこか一線置きたい、不快感さえあった。これも噂話と同じ。全体的には蜃気楼のような世界。
2014/01/24
PUKO
好悪はともかく…久しぶりに文学に触れたなぁという達成感がありました。少し前の日本の地方の密度の濃さは、よくこういう描かれ方をしますね。
2019/03/02
Junko
「覇王の七日」その男=浜村龍造。腹違いの兄・秋幸が腹違いの弟・秀雄を殺す。偶発的に起こった殺人だが、秋幸の思いは、浜村の血族の抹殺だった。浜村孫一の子孫である秋幸が秀雄を殺す。それは孫一が孫一を殺したことになる。通夜から七日間、龍造は部屋に閉じこもる。父親として二人の息子を愛していた。一緒に住むことのできなかった秋幸への思いは特に強い。幼い秋幸を訪ねていって、「アキユキ」と声を掛けた日が思い出される。あの日から、自分の元で育てられたら、今日の悲劇は起こらなかっただろうと思っている。
2017/05/08
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