片桐且元 (小学館文庫 す 5-2)
片桐且元 (小学館文庫 す 5-2) / 感想・レビュー
だまし売りNo
片桐且元の方広寺鐘銘事件から大坂冬の陣直前までを描いた歴史小説。NHK大河ドラマ『どうする家康』の予習になる。方広寺鐘銘事件は卑怯な言いがかりである。方広寺鐘銘事件は家康の汚点である。「武力をもって豊臣を圧迫したのであれば、それはそれで武人のありかたとしてはやむなき部分はなくはない。けれども家康は、方広寺の鐘銘に、ありもしない呪詛の言葉を読み込んで、そこから豊臣に圧力をかけてきたのだ」(278頁)
2023/08/20
鐵太郎
「男には二つの子供がある。一つは女房が生んで育てた子供。もう一つは自分が生んで育てた仕事。子供のためなら死ねる」「生きるか死ぬかの戦国乱世なんて、とっくに終わってる。普通に生きて普通に宮仕えをしていれば、普通に俸禄が貰えて普通に天寿を全うできるんですよ。何が面白いのか、手前にはわかりませんねぇ」 「お前にわからせるために生きているわけではない」 「でも、思いっきり笑ってさしあげますよ。時代遅れだ、ってね」 「何万人に笑われても構わない。だが、自分で自分を笑う生き方はしたくない」 ・・・言葉が、なんかいいな
2011/02/05
BIN
方広寺鐘銘事件にフォーカスを当てた珍しい作品。「国家安康君臣豊楽」に難癖つけられて、それの弁明に家康のところに向かった話。賤ヶ岳七本槍の一人だけに武勇は優れてるけど将としてはいまいちな武士だけど、弁達な本多正純や家康も論破する姿は面白い。「わしはおのれに惚れぬきたい。地獄に落ちてもな」と格好いい爺さんです。忍の五郎太もいいキャラしてるし、織田信雄を格好いいと思える場面もある。戦はないけど面白い作品でした。ただ表紙を見て読む気がうせる。
2012/06/23
五徳猫
無骨で不器用なイメージがあったが、著者の描く「己の信じるもの」に突き進む且元の姿には惚れる。
2016/02/27
Ryuji
★★★★
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