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多甚古村,山椒魚 (小学館文庫 R C- 6 新撰クラシックス)

多甚古村,山椒魚 (小学館文庫 R C- 6 新撰クラシックス)

多甚古村,山椒魚 (小学館文庫 R C- 6 新撰クラシックス)

作家
井伏鱒二
出版社
小学館
発売日
2000-05-01
ISBN
9784094041064
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多甚古村,山椒魚 (小学館文庫 R C- 6 新撰クラシックス) / 感想・レビュー

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chanvesa

行間をお前は読んでいないのでは?という批判があるかもしれないが、大嫌いな「警視庁24時」的なテレビ番組を観ているかのような感覚が、「本日休診」「多甚古村」につきまとう。暴力的な事件、死が入れ違いで次々と襲ってくる。ヒューマニズムはその事件の中心であるお医者さんやおまわりさんにあると言えばある。しかし、それは冷静と呑気のはざまで、当事者でありながら、高みから見ているからである。確かに専門職に求められる要素としての客観性なのかもしれない。しかしそれが作品にヒューマニズムをもたらしていることではないと思う。

2015/06/29

ろべると

教科書で「山椒魚」の抜粋を読み、井伏鱒二のファンになった。久々の再読。その25歳の処女作は掌編だがなんとも言えない味がある。特に山椒魚がともに岩屋に閉じ込められた蛙と交わすラストがよい。他に収められた二作は「本日休診」が蒲田の外科病院の先生、「多甚古村」が広島の駐在の、戦中戦後の日々を描く。ペーソスに溢れ、昭和の香りがプンプンする。揉め事の仲裁など、今ならとても手を出さないようなことにも関わる日々。今も地方の駐在所のお巡りさんはこんな感じなのかも知れない。長野で殉職した同年輩の警官のことを思い出した。

2023/05/28

a43

改題前は「幽閉」中学一年のときの太宰治が「座っておられなかったくらい」感動したという「山椒魚」を読みたくて。読んでよかった。斜陽館の資料室で見た井伏鱒二の字がとてもかわいくて気に入った。「本日休診」も好き。「多甚古村」はここで終わるのか、という感じだけど、(←あ、でもこれにはワケがあった)戦時中の村のひとたちのアイコクシンとかそういうものが伝わってきて面白かった。

2014/09/30

みかん

「山椒魚」・「本日休診」・「多甚古村」の三作品。それと巻末に著者の写真付き資料が収録されています。 井伏鱒二の作品は、この本で初めて読みました。あっさりとした飾らない文章なので読みやすかったです。 しかし寛容的で老熟した文章なので躍動感があまり感じられず、最後のほうは飽きてしまいました。 ちなみに、このなかでは「山椒魚」が好きです。

2011/02/25

ミサゴン

井伏鱒二はすごく尊敬してるけど、女の人の描き方には今まで不満があった。「本日休診」も、まあ不満じゃないことはないけど、女の人に対する温かい心、みたいのはしっかり伝わってきた。

2010/10/04

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