緋色の時代 (下) (小学館文庫 ふ 4-3)
緋色の時代 (下) (小学館文庫 ふ 4-3) / 感想・レビュー
キムチ
ロシアという国は日本人には解りえないと感じる・・ドンコサック・多民族・ギリシャ正教と異端派。背景にある厳しい自然。たった一つ見えたのは米のベトナム戦争を超えるものを植え付けたアフガン戦争とその副産物の大麻製造・しがみつく人々。ラストで生き残ったあの男女・・「男に取り、女は生き抜く源泉」と呟く。並行して観ていた「ブラックサン」でも酷似の語が出てくるが、平和な地で時間を生きている私には、ひたすら哀しい呟きだ。性行為を必ず伴うそれは動物より劣ましく映った。そして登場する日本人2人は何だった?!醜い姿としか。。
2021/06/04
浦
アフガン戦争後、ロシアマフィアとなったなったソ連兵士達の行末。ものすごい大作だ。船戸作品の中で一二を争うであろうこの小説が紙で読めないのは、少し残念だ。いや、この時代に電子化されていただけでも幸せと言うべきかもしれない。
2020/04/22
カワセミ440
そして誰もいなくなった・・・だな。ロシア人にとってのアフガニスタンは米国人のトラウマ、ベトナムなんだね。あの日本人二人は何だったんだろう?こんなに凄い殺戮/抗争だけど、リアリティは無いよな。読んでて結構疲れました。どこまでロシアが無法?地帯なのか解んないけどロシアンマフィア怖くって、ちょっとロシアに観光行こうなんて思えないね。どこまでホントなんだろう?そのうち北極圏シベリヤにオーロラとか見に行ってみようって思ってたんだけど・・・。
2015/11/25
HoneyBear
血腥くて救いのない殺伐とした物語なのだが、アフガン戦争の影響、帰還兵(アフガンツイ)、イスラム義勇兵(アフガーニー)、ロシアの犯罪集団、情報機関の様子などの雰囲気をよく伝え、情勢に関して何か知見を得た気がする。緊張感、テンポ共にさすがで、読むことを止められなくなる。ただ、週刊ポスト連載のためか、劇画のようなスタイルに終始しているのがやや残念。
2013/11/27
眠る山猫屋
再読。アフガニスタンの盟友4人は、敵味方に別れ、ついに闘いへ。一方は都市マフィアの盟主として極東を望み、一方はコサック・マフィアの盟主をサポートする。アフガニスタンで壊れた心を抱える悪霊のような元情報将校たちや、秩序維持から逸脱した警察官僚たちも加わり、ウラル山脈の麓は戦場と化した。船戸さんらしく、歴史の証人たるべく生き残る青年たち。戦場から持ち帰った狂気は拭い去れないものなのか。ベトナム戦争のネガのような緋色の時代の終焉。
2011/10/07
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