日本の戦争(小学館文庫) (小学館文庫 た 2-1)
日本の戦争(小学館文庫) (小学館文庫 た 2-1) / 感想・レビュー
coolflat
幕末から太平洋戦争開戦まで。幕末・明治維新期は薩摩(島津斉彬~大久保利通)を中心に、富国強兵という概念がどのように作られたのかが記される。ポイントは山県有朋。大久保は富国を最優先にしたが、大久保の死後、山県が強兵を富国と同格にした。日清戦争~韓国併合期は伊藤博文を中心に、朝鮮の植民地化に反対だった彼がいかに挫折し、やがて日韓併合に至るのか、日清戦争と日論戦争の違い(国際戦略がなかったか、あったか)などが記される。日中戦争~太平洋戦争直前期は近衛文麿を中心に記される。近衛の「ぶれ」が昭和の歴史の不幸だった。
2016/12/26
大森黃馨
本書にての収穫 今まで日露戦争以前の人物は神の如く立派で以後は酷く劣化したという意識があったが実は以前の人物も以後の人物とそれほど大差は無いという事 素晴らしい書ではあるがシベリア出兵等ぼかんと抜け落ちている時代があるのがどうにも気になってしまう だが私には氏を賞賛したり貶したりする資格はあるのだろうか歴史を学んでいると己の判断基準はは実は小市民のちんけな意識に過ぎないのではないかと疑ってしまうとある組織について言及するならばその組織について精通しなくてはならないだがその時はいつ来るのか
2022/10/29
aki
さすが田原総一朗、読みやすい。幕末、明治維新から太平洋戦争開幕にいたるまでの近代日本の歴史をコンパクトに紹介。相当に大部の本だが、駆け足感があるなあ。オビにもあるように「なぜ戦争に踏み切ったのか」がテーマだが、肝心の太平洋戦争前夜の描写が駆け足すぎて、ものたりない。原因を政治・軍事のメカニズムの不具合に帰しているが、それは違うでしょ。なぜ負けるとわかっている対米戦争を引き起こしたかといえば、戦争に勝つことより、大事なものがあったから。それはメンツ。陸軍のメンツ、海軍のメンツ、近衛のメンツ。天皇制のメンツ。
2017/01/21
metaller
明治維新~太平洋戦争まで、日本がいかにして戦争に突っ走っていったのかを総括。 興味深いのは二二六事件の背景として、今までよく大不況や農民層の疲弊が原因と言われていたが、実はそうではなかったのではないか、という提言。 それから、統帥権という化け物。近衛文麿という戦争直前の首相であるが、首相としての資質がまったく欠如していたのではないかと思われること。 んんん、勉強になった。終戦記念日にもういちど戦争を振り返るための良書。
2013/08/10
ぼび
5/5
2018/12/06
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