哀愁の町に霧が降るのだ (下) (小学館文庫 し 2-8)
哀愁の町に霧が降るのだ (下) (小学館文庫 し 2-8) / 感想・レビュー
ゆいまある
椎名さんは就職し、克美荘での共同生活もなし崩し的に終焉を迎える。青年は大人になり、共同体は消える。一人の破天荒な人が大人になる過程には育ててくれた仲間がおり、その功績は大きい。沢野さんはこの年齢の暗い部分、悩む部分を引き受け、明るく前向きに生きる力は木村さんに拠るところが大きい。実際この本もこの2人の日記がもとになっている。書くことに煮詰まったらさっと外国に飛んでしまう椎名さん。苦しくても前向きで希望があるところが椎名さんである。ところで恋愛はどうなったのか。
2022/04/26
ソングライン
克美荘での共同生活もついに終わりの時をむかえます。司法試験に合格した木村、実家のアパートに戻る沢野、そしてデパート業界の新聞社に就職しサラリーマンとなった作者も1年を過ごした克美荘を去っていきます。ぼんやりとした未来を見つめ、大酒を飲み、友人たちと語り、暴れ、バカになる。そんな贅沢な青春、自分のためだけに生きることが許される貴重な時間が、笑いと少しの哀愁と共に描かれます。
2021/08/09
Aoki
若いその時にもいつかは終わりが来る。そんな寂しい気持ちになる下巻。成長とともに共同生活から脱していく彼ら。オトナになるってこと未だによくわかんないけど、4回ものあとがきと、角田光代さんの寄稿エッセイが、何とも言えないあの頃の熱くておバカでひたむきだった時代を思い起こさせる。またいつか読もう。
2014/09/01
まあ
青春が終わっても人生がまた始まる。現実にはエンドロールなんてないんだけど、小説でも同んなじことがあるんですね。読み終わっても、やっと今からが始まるんだって思えて仕方ないです。
2015/04/23
まあ
再読。永遠なんてない。諸行無常の響きあり。平成が終わる前に再読出来て良かったし、あんまり、平成最後とか気にしたこと無かったけど、急に平成が終わる前に読みたい小説が沢山思い浮かんだ。
2018/12/09
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