でんでら国 (下) (小学館文庫 ひ 12-5)
でんでら国 (下) (小学館文庫 ひ 12-5) / 感想・レビュー
chiru
下巻は、姥捨山と隠田の関連をかぎつけた代官一味VSオーバー60の老人軍団。『死人』が暮らすユートビア“でんでら国”が、とうとう白日の下へ。一度“死んだ”老人の普段着の死に装束に笑っちゃうけど、ハイスペックな刺客との攻防ははらはら。武士の世界の理屈に屈しても、軽やかに路線変更する老人たち。それは、死を覚悟した時からスタートした第二の人生を生きてるからかな。終盤はすべてが、“善次郎ひきいる老人軍団”の盤上の駒だったという爽快な幕引き! 彼らのタフで柔軟で陽気な笑顔に、元気をたくさん貰った物語です✨ ★5
2020/01/22
『よ♪』
棄老。姥捨ての風習。亡者となった老人たちの作り上げたユートピア"でんでら国"。探し出して何としてでも税を絞り取りたい代官や侍。経験と知識を豊富に積んだ老人と侍との知恵比べ。"守ってやるから税を出せ"と侍。"そんなこと頼んでいない"と農民。それぞれの言い分。これを血なまぐさい演出など一切なしに描いているのが素晴らしい。認知症や高齢化社会への問い掛けが主題だが、老人たちの暮らしは生き生きと実に爽やかで暗さがない。…といったうんちく抜きでもとにかく面白い!爺婆が侍を滑稽に翻弄するのが爽快!文句なしにお勧め作品♪
2019/08/18
ざるこ
いよいよ始まる代官所の隠田探索。殺し屋まがいのキレ者を雇い足軽を引き連れ山に分け入る。さまざまな仕掛けを講じ山中を駆け回る爺婆たち。いたって健康!終盤の秘密兵器(?)を携えての派手なパフォーマンスは痛快!まったく楽しそう!死人同然と普段着は白装束に三角巾。そこかしこで笑わせておいて自然界や身分差、親子愛や介護など現実に通じる問題をたくさん提起されてるよう。痴呆の父を持つ平太郎の心がせつない。支え合い人を思いやり溌剌と残された時間を生きる。最後の最後まで爺婆たちの知恵と優しさが溢れる楽しい楽しい作品です。
2019/09/23
goro@80.7
でんでら国の存在が知られてしまって、どう決着を付けるのか、侍との攻防は楽しめました。孫一好きにとっては活躍が少なくて残念かな。あと「もののけ姫」のような鰍をもっと掘り下げて、小五郎とは決着つけさせたかった。綺麗にまとめすぎのような気がするが、でんでら国は魅力的な里だ。現実問題としてもすぐにそんな里になりそうな村や町が沢山ある。若い人を呼ぼうと苦労するよりは爺婆ばかり入居させてあらたな町作りを模索するほうがいいのではないか。そんなコミュニティがあってもいいと思えた物語でした。
2017/06/25
優希
親が高齢なので色々考えさせられました。誰しも年をとるので他人事とは思っていけないのですね。
2021/03/12
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