あっちの豚こっちの豚/やせた子豚の一日 (小学館文庫 さ 12-4)
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あっちの豚こっちの豚/やせた子豚の一日 (小学館文庫 さ 12-4) / 感想・レビュー
chimako
佐野洋子展に行って購入。「あっちの豚こっちの豚」は既読。「やせた子豚の一日」は洋子さんの文章に息子さんの弦さんが絵をつけている。「あっちの豚~」は2度目でもドキッとする。幸せでいるためには深く考えてはダメだ というきつね紳士。ミンクのコートを着る豚の奥さん。森へ逃げ帰った豚はそれでも「こっちのおれが元気ならあっちのおれもしんぱいないからな」と呟く。「やせた子豚~」はちょっと切ない。太った隣のの母息子、こちらは痩せた父娘。それでも納得してキャベツを食べる。その後のエッセイと三点セットでまた考えてしまう。
2018/06/15
Ikutan
読友さんの感想に惹かれて。豚を主人公にした二つの物語。没後に発見された佐野洋子さんの原画が収録された『あっちの豚 こっちの豚』では洋子さんのダイナミックな原画に圧倒されます。一方、息子の広瀬弦氏の対照的な繊細な絵が収録された『やせた子豚の一日』では、子豚の女の子の表情が可愛くて微笑ましい。そして、内容は洋子さんらしく、ピリリと人間社会を風刺していて、文化的な生活と幸せの価値観など色々考えさせられます。こんな親子の共演って素敵ですね。巻末のエッセイでは洋子さんの子どもに向ける視線も垣間見れて楽しかった。
2016/04/04
ヒラP@ehon.gohon
勝手な都市化社会に巻き込まれていく豚と、自然体の豚と、どちらが幸せなんだろう。童話でありながら含みを感じる作品。広瀬弦さんとの親子対決も楽しく読みました。
2021/02/16
アーちゃん
図書館本。2編の短篇と息子さんの広瀬弦さんの解説風短文と佐野洋子さんのエッセイを交えた解説が入っています。すぐ読めるかなと思いきや、内容が風刺的で結構痛い。なぜかジャック・タチ監督の「ぼくの伯父さん」を思い出しながら読んでいました。豚さんは結局文明から遠ざかり、伯父さんは文明の中でマイペースを通すところが違うのですが。「やせた子豚の一日」は辛い話。毎日キャベツを食べている女の子豚が出会ったちょっとした幸せ。でも日常は変わらず、また次の日もキャベツを食べるのでしょう。「そうはいかない」も読みたくなりました。
2016/12/10
ASnowyHeron
何か考えてしまうお話だ。本編より編集後記に心惹かれた。
2016/06/15
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