KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

東京帝大叡古教授 (小学館文庫 か 44-1)

東京帝大叡古教授 (小学館文庫 か 44-1)

東京帝大叡古教授 (小学館文庫 か 44-1)

作家
門井慶喜
出版社
小学館
発売日
2016-04-06
ISBN
9784094062823
amazonで購入する Kindle版を購入する

東京帝大叡古教授 (小学館文庫 か 44-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

🐾Yoko Omoto🐾

※やや辛め※残念ながら今一つ乗りきれぬままに読了。門井作品初読みだったが、本格ミステリを期待し過ぎたせいか肩透かしを喰らった印象だ。ミステリというよりは実在の人物を扱った近代史小説に近く、明治の日露戦争から講和条約辺りの内政の動向に興味があれば楽しめたのかもしれないが…。謎解きは当て推量や不確定要素が多く、美術や数学の蘊蓄も本筋とはほとんど関係がない。また肝心の叡古教授にあまり魅力が感じられなかった。あからさまに伏せられていた大落ちについてはなるほどとは思ったものの、感慨を覚えるまでには至らず。

2016/05/17

hiro

門井さんの本は3冊目。TVドラマ化、直木賞候補作ということで、この本を買って読んでみることにした。直木賞の選評、読メでの多くの皆さんの感想と同じくミステリとして読めば隙だらけで、残念ながら面白くなかった。しかし、終盤になり、日露戦争の講和条約ポーツマス条約締結をめぐる、この時代の世論とそれが起こした事件の様子を詳しく知ることができ、日本史の授業で習ってはいたが、この本により改めて学ぶことができたので、この‘歴史ミステリ’を読む価値は十分あったと思う。

2017/08/05

五右衛門

「なぜ勉強をしなければいけないのか?」という小学生の頃からの疑問がやっと解けたような・・・人の意見に流されない、自分というものをしっかり持つ故に学問を学ぶ。少しばかりのミステリー要素も楽しめましたが今作ではこの一語に感銘を受けました。なんだかスッキリ!

2017/06/14

のぶ

明治の史実や風俗とミステリーを融合させた面白い本だった。熊本から東京帝大の叡古教授を訪ねるために上京した阿蘇藤太は、長旅の後宿で教授からの、「翌朝大学の図書館で会おう」との手紙を受け取るところから物語は始まる。その後、教授の殺人事件が起き連続殺人に発展していく。叡古教授を中心に謎解きをするのだが、陰湿さはなくユーモラスな雰囲気が漂う。ミステリーのロジックは、左程複雑なものではないが、興味深いのは叡古教授のキャラのユニークさや、当時の世相やその時の政治家や夏目漱石も登場する人物の描写だった。

2019/11/04

NAO

近代化を急ぐ日本の帝都、その人々の暮らしからは見えない陰で、近代国家「日本」のために奮闘する政治家たちや最高知識人たちの姿が軽妙に描かれている、ミステリ+歴史小説+有名知識人をネタにしたパロディ。明治時代の主要な政治家だけでなく、夏目漱石、森鴎外、「明星」の鉄幹、晶子といった当時の文学者たちが次々と登場したり話題に上がったりしている。ロジックが簡単すぎるとウンベルト・エーコをモチーフとした宇野辺叡古教授に関しては否定的な意見も多いようだが、明治の雰囲気がよく出ていると思うし、私はとても楽しく読めた。

2016/05/10

感想・レビューをもっと見る