こんなにも優しい、世界の終わりかた (小学館文庫 い 6-4)
こんなにも優しい、世界の終わりかた (小学館文庫 い 6-4) / 感想・レビュー
あおでん@やさどく管理人
【読メ登録500冊目】【第10回やさどく】記念すべき500冊目は今まで読んだ中で一番好きな本を文庫版で再読。優しい人に優しくないこの世界、優しい人は生きづらさを感じることもある。青い光が降り注ぐといったことでも起こらない限り、世界が優しくならないのだとしたら、それは悲しい。
2016/12/22
もも
かなり久しぶりの市川さん。世界は突如終わりを迎えた。街には空から青い光が降り注ぎ、人も何もかも時が止まり、青く凍りつく。主人公は初恋の人と再会する為に危険な旅に出る。主人公の過去と現在を描きつつ、物語は進む。世界を救うとかそういうこともなく、主人公はただ歩き続ける。愛しい人の元へ行く為に。これは『愛』の物語だ。哀しいけど、優しい物語。もし自分が同じ立場になったら、やっぱり大切な人達の元へ行きたいと願うだろう。主人公と父親の別れは泣きそうになった。世界の最後にはこんなにも『愛』があふれている。
2017/02/28
♪みどりpiyopiyo♪
どうやら世界は本当に終わりを迎えるらしい―。世界が終わる前に君に会いたい、その思いで僕は旅に出る。■不器用で まっすぐで、「優しくありたい」と思っている人達のお話でした。こういう センシティブで ナイーブで まっすぐな人たちは、私達のこの世界にも 少数派ながらも沢山います。多数派の人達に合わせて作られた今の社会では、少数派の人は生きにくい。■「優しくありたい」と思ってさえいれば優しくあれる訳ではないけれど、みんながそう思っていたならば 世の中はもっと優しくなるよね ( ' ᵕ ' ) (2013年)(→続
2018/05/09
SOHSA
《購入本》市川拓司の小説はどれも透明感に溢れている。本作は特に、描かれる世界のすべてが果てしないほどの透明感で満たされていた。セカイが静かに終焉へと向かう中で人は誰もがみな優しく浄化され、幸せに包まれたように青く凍っていく。そこには恐怖や畏れ、後悔などは微塵もない。ただあるがままを受け入れることの歓びと穏やかさだけがある。「愛」をとことん見つめ続けた末の風景がこの作品に描かれている。まさにこんなにも優しい世界の終わり方だった。
2020/12/12
こーた
戦争関係の小説でも感じることですが、人は「死」と対峙すると純粋に愛を求めるのでしょう。今作は特に圧倒的な天災であるためか、より愛が純粋である気がします。
2017/04/11
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